英国の政府閣僚および公務員に対して、支給された公用携帯電話でのショート動画SNS「TikTok」の使用が禁止されたという。BBC(英国放送協会)が報じた。
報道によると、内閣府のOliver Dowden大臣は国会議員に対し、国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)による審査の結果、同アプリが即時禁止されることを明らかにした。公用電話に保存されている機密データが中国政府に流出する恐れがあるとしている。
これに対してTikTokは、ユーザーデータを中国政府に渡しているとの疑惑を強く否定している。中国・ByteDanceが運営するTikTokは世界中で累計35億ダウンロードを記録する一方、中国で定められている国家情報法による情報漏洩リスクが取り沙汰され、2020年6月にはインドがストアからアプリを削除。北米やEUの議会も公用端末での使用禁止に動いており、英国もそれに続いた形だ。
なお、すでに禁止令は施行されているものの、業務上でTikTokを必要とする一部機関は引き続きアプリを使用できるとのこと。例として、国防省は公式TikTokアカウントでウクライナへの支援を伝える活動を行っている。また、政府職員は個人の携帯電話であればTikTokを利用することが可能となっている。