コロプラとカプコンは、両社のプレスリリースにおいて特許クロスライセンス契約を締結したことを発表した。
本契約は、コロプラとカプコンが、双方が保有するゲーム開発に係る特許権を包括的に相互許諾するもの。従来の同社とのクロスライセンスよりも広範な契約とすることで、両社のゲーム開発の自由度をさらに向上させ、より魅力的なコンテンツづくりを推進することを目的としている。
コロプラは、『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』や『白猫プロジェクト』などモバイルゲームでヒット作を持つゲーム企業だ。創業当時から位置情報ゲームを手掛けており、近年は『ドラゴンクエストウォーク』の開発会社としても知られている。
そしてカプコンは、「モンスターハンター」や「バイオハザード」など世界的大ヒットシリーズを保有するゲーム企業。主にコンシューマ向けAAAアクションゲームを手掛けているが、モバイルゲームをはじめとするオンラインゲームでヒット作を持っていないのが弱点となっている。
モバイルゲームの開発・運営ノウハウはもとより、位置情報ゲームで大ヒット作を保有するコロプラと、世界的IPタイトルとAAAアクションゲームの知見を持つカプコン、両者の取り組みは双方にとって大きなメリットを得られるだろう。
一方コロプラとカプコンは、この「特許権」に関して苦しい経験をしてきた。コロプラは任天堂に特許権侵害を指摘され、後にライセンス料を含む33億円の和解金を支払い(関連サイト)、カプコンは、コーエーテクモゲームスを相手に特許侵害を訴訟(後に勝訴)(関連サイト)。
特許権を巡る騒動はゲーム業界の歴史において度々起こる。両社は知的活動から創出される発明を保護し、円滑なゲーム開発環境を整備するためにも今回の取り組みに至ったのだろう。
両社のプレスリリースでは「許諾を得た特許権を今後開発するタイトルに有効活用し、これまでにない”新しい体験”の提供していく」とコメントしている。