任天堂は4月4日、英国向けの公式サイトにおけるサポートページを更新し、Nintendo Switchのコントローラーである「Joy-Con」について、保証期間外でも無償修理を行うことを発表した。
サポートページでは、Joy-Conのコントロールスティックが反応しない、または反応がおかしい状態を指す、いわゆる「ドリフト現象」について言及。対象地域である欧州経済領域(EEA)、英国、スイスにおいて、消耗によるものかつ、24ヶ月のメーカー保証期間外でも無償での修理に対応するとしている。
なお、任天堂が製造していないものやコントローラーがレンタルまたは商業目的で使用されていた場合、事故による損傷に起因している場合などは、任天堂が無償での修理を拒否できるとのこと。
Joy-Conのドリフト問題は各国の消費者の間でたびたび取り沙汰されており、米国では2019年ごろから同様の対応を実施。一方の欧州においては、2021年に欧州消費者機構(BEUC)が約2万5000人の消費者からの報告をもとに、「報告の88%が2年以内の故障だった」として欧州委員会(EC)に苦情を申し立て、対応を求めていた。
そして今回、ECの働きかけによって、任天堂との無償修理の合意に至ったという。協議にあたって、ギリシャ開発投資省とドイツ連邦環境庁が主導したことが報告されている。
また、ECの司法担当委員であるDidier Reynders氏は脱炭素社会の実現に向けた取り組み(GX)の観点からも、「修理されずに処分されるコントローラーなどの不必要な廃棄が減少する」として、成果を報告した。
対して、BEUCの副事務局長Ursula Pachl氏はポジティブな報告を喜ぶ一方で、無償修理は「短期的な解決策に過ぎない」として、任天堂がこれからも「潜在的なバグ」を抱えたゲーム機を販売することができると指摘。他の企業も含めて、製品の耐久性を高める必要があると説いた。