収益向上のためのアプリ内入札活用法 長期運営を考慮したコロプラの広告マネタイズも明らかに

 Vungleは、2月24日、ironSource社と共同で「アプリ収益化最前線~アプリ内入札を解説~」をテーマにしたウェビナーを開催した。

 ウェビナーでは、コロプラ事業横断部事業管理グループの角田達氏とironSource Japan合同会社ゼネラルマネージャーの峯秀一郎氏、Vungle Account Executiveの杉山真理氏が登壇。

 アプリ内入札の基本的な仕組みとその活用法のほか、関連製品の最新情報、マネタイズについての紹介・説明が行われた。

【登壇者】

コロプラ 事業横断部 事業管理グループ
角田達 氏
ironSource Japan合同会社 ironSource Japan
峯秀一郎 氏
Vungle Account Executive
杉山真理 氏

 

アプリ内入札の仕組みと
パフォーマンス最大化のためのポイント

 世界の主要モバイルゲーム企業を顧客とする「ironSource」は、モバイル広告のメディエーションプラットフォーム、モバイル広告ネットワーク、データドリブンなユーザー獲得プラットフォームといったゲームアプリの成長を支援する様々な機能を開発している(2010年設立)。

 今回のウェビナーでは、プロダクトサービスのうちマネタイズと関連データを分析した内容についてフォーカス。まずはironSource Japanの峯氏により「ironSource LevelPlay メディエーションプラットフォーム」についての紹介が行われていた。

 メディエーションの広告ユニットでは、動画リワードやインタースティシャル、バナー、オファーウォールを提供。ネイティブに関しても、近日中にリリース予定になっているとのこと。最大規模のビッダーを含む合計26ネットワークとの接続が可能になっているほか、カスタムアダプターも対応しているため、アドネットワークを自由に追加してマネタイズを行うことが可能となっている。

 続いて峯氏は、アプリ内入札(ビディング)を行うメリットについて説明。最高入札額のネットワークが常に広告配信されることから、インプレッションレベルの収益性が向上することを挙げる。ironSource Japan LevelPlayでは実際にアプリ内ビディング導入後、収益の20~30%向上の効果が見られたという。

 ビディングにより運用が自動化されるためリソースや時間を削減できるほか、広告動画のキャッシングを最低限に抑え、アプリのパフォーマンスが最大化できるといったメリットがあるようだ。

 ビディングの導入や最適化運用においては、積極的にA/Bテストを行うことが重要なポイントになっている。なお、ビディングパフォーマンス最大化するためには、高い精度を持ったウォーターフォールの最適化を行っていく必要があるとのこと。

 ironSourceのメディエーションでは実際のeCPM順に自動でソートができるため、機会損失を最小限に抑えつつビディングのパフォーマンスを最大化できる。また、レートを設定することで、実際のCPMをオーバーライドし、希望の価格帯で呼び出すことも可能だと続けた。

 ビディングを活用した応用例では、自社アプリへの層客をビディング経由で行い、広告収益の減少を最低限に抑えながらクオリティの高いユーザーのみ送客する「クロスプロモーション」と、ネットワークを解さずに広告枠を直接販売する「ダイレクトディール」があるという。

 ビディングで運用工数を削減し、ユーザーのアプリ体験や広告体験向上に繋がる施策を積極的に重要だとまとめた。

 

アプリ内入札による収益化と成功事例

 Vungleの杉山氏からは、ビディングを活用するメリットについて説明。メリットの1つ目は、ARPDAUとフィルレート(広告の満稿の割合)の改善について。フィルレートの増加により、在庫に適切にアクセスできるようになり、収益化を最適化することに繋がるという。

 そのほか、杉山氏はパブリッシャーリソース活用の最適化や、レーテンシーの削減といったメリットを挙げる。こうした利点から実際にビディングを活用する企業は多く、ネットワーク内のビディングの利用状況は2021年1月から11月にかけて増加していると続けた。

 アプリ内入札の事例として、杉山氏は2社のケースを紹介。某アプリゲームにて、広告をスクリーンの一部に出す「SKOverlay」を有効化したところ、CTRが60%も向上したという。

 さらに、アプリ内入札の活用後、Vungle経由のリクエストは30%以上上昇。Vungleによるアプリ入札後には、ARPDAUが10%〜15%以上上昇したと続けた。

 また、パズルゲーム『Water Sort Puzzle』にてVungleの新規SDK(6.10.3)を使用したところ、パブリッシャーの収益が100%以上上昇させることに成功したそうだ。北米などTierの高い国での収益は、120%の上昇。アプリ内入札によるプレイスメントフィルレートは、97%を達成したとのことだ。

 杉山氏は新機能の導入や既存機能の向上、旧SDKの問題を修正するためには、最新SDKへの迅速な更新が不可欠だと強調する。ビディングの導入は収益担当の作業を効率化し、フィルレートの向上にも繋がるため、ぜひ活用してほしいと呼びかけた。

 

長期運用を考慮したコロプラの広告マネタイズ

 コロプラのセッションでは、まず角田氏が動画広告マネタイズについて同社の基本方針を説明。ゲーム内の広告では、ライトユーザーからヘビーユーザーまで幅広く活用してもらえるよう、ユーザーの納得感の高いリワード広告のみを活用しているという。

 広告の設計パターンについては、①一定の報酬、②ランダムな報酬、③ランダムな視聴機会の3種を用意。①ではゲーム内通貨やアイテム等を配布し、②ではガチャやルーレットによりランダムでアイテムを配布、③では一定の確率で広告を出現させて視聴により報酬を与えるといった内容にしているそうだ。

 こうした設計パターンが生まれた背景には、長期運用の中でさまざまな変遷があったことが理由にあるという。リリース当初は①のように一定の報酬パターンでの導入を行っていたが、ユーザーに作業感を与えてしまうといった問題が浮上。

 そこでランダムな報酬や視聴機会のパターンを導入した結果、報酬に対する期待感を生み出すことに成功し、より幅広いユーザーに広告を利用してもらえるようになったとのこと。こうしたデータから、一定の報酬はヘビーユーザー向け、ランダムな報酬・視聴機会はライトユーザー向けの導入を意識して開発を進めているそうだ。

 続いて、広告効果を高めるキャンペーンについて『白猫テニス』を例に挙げた。本作の通常報酬はガチャポイントやアイテムになるが、とあるキャンペーンにて報酬を復刻キャラのガチャチケットに変更。その結果、エンゲージメントが前期間比+66%増加した。収益も前期間比+86%と、大きく向上したそうだ。

 『カジノプロジェクト』では通常報酬に加えて、カジノゲームで報酬が増えるチケットを付与したところ、エンゲージメントレートが前期間比+46%、収益も前期間比+32%の増加に繋がったという。

 コロプラは2021年まではウォーターフォール式の運用がメインだったが、現在はビディングをメインに運用。ビディングに切り替えた理由について角田氏は、運用の効率と収益面でのパフォーマンスの良さを挙げる。

 特定のアドネットワークでABテストで検証を行なった結果、ビディングのグループの方がCPM(視聴単価)及び収益も高くなったそうだ。ウォーターフォールの定期的なチューニングを行うには時間がかかってしまうため、ビディングの活用は非常に有効的であるとまとめた。

 業界最適化運用のリソースの節約や、収益性を向上を目指すうえで、ビディングの活用が有効的であることが分かった本ウェビナー。アプリの収益化やビディング活用について検討している方は、ironSourceやLiftoff + Vungleまで問い合わせてみてはいかがだろうか。また、本ウェビナーはアーカイブ動画を公開しており、下記のリンク先より視聴できる。

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島中 一郎(Ichiro Shimanaka)
島中 一郎(Ichiro Shimanaka)https://www.foriio.com/16shimanaka
ライター。ゲーム・アニメ業界を中心にニュース記事の執筆、インタビュー、セミナー取材などマルチに担当。ボードゲームが趣味であり、作品のレビューや体験会のレポートを手掛けるほか、私生活で会を催すことも。無類のホラー好き。

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