『ブルーアーカイブ』は2周年施策によってDAUが2倍以上の50万人規模に拡大 リリース直後よりもユーザーが増加

 

 ゲームエイジ総研は、Yostarが配信する『ブルーアーカイブ』について、2周年施策に関する調査データを公開した。

 『ブルーアーカイブ』は2023年2月に2周年を迎え、直前には初のリアルイベントである「ブルアカふぇす!」が開催。メインストーリーが佳境となり、TVアニメ化も決定するなど、大きな話題を集めていた。

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2周年記念施策により『ブルーアーカイブ』がAppStoreのセールスランキング1位を初めて達成

 そこで、レポートでは『ブルーアーカイブ』で行われた2周年施策がユーザー数にどのような影響を与えたのか、過去のユーザー動向との比較などを同社のマーケティングデータサービス「iGage(アイゲージ)」を用いて分析している。

以下、ゲームエイジ総研の調査結果を掲載。

1月22日のリアルイベントから、様々な施策が

 『ブルーアーカイブ』では1月22日より、2周年を記念した初のリアルイベントである「ブルアカふぇす!」が開催され、配信企画内ではTVアニメ化の決定や、秋葉原電気街まつりとのタイアップ決定などの情報や、今後のアップデートで追加されるゲームイベント情報の公開が行われた。

 このリアルイベント当日である1月22日には、メインストーリーFinal.「あまねく奇跡の始発点」編の第1章が情報公開されるとともに同日中に実装され、その二日後の1月24日には第2章が実装された。そして、同日には実装前から人気が高かったキャラクター「ミカ」の限定実装や最高レアリティキャラクターの排出率が2倍になるなどの施策も執り行われた。

 

 さらに、1月25日からはイベント「F.SCT攻略戦」が開始され、さらに1月31日からは、新キャラクター「メグ」「カンナ」が実装、毎日無料で10回募集(ガチャ)が行われた。

 また、25日にはAppStoreセールスランキング1位を、29日にはGoogle Playセールスランキング1位を記念して、10回募集チケットが配布されていた。

 このように1月22日から多くのイベント施策が連続して執り行われていた。

 

リアルイベントからユーザー数が徐々に増加し、DAUは2倍以上に

 では、実際にイベント施策によって、ユーザー数にどのような変化があったのかを確認する。

 リアルイベントが開始されるより前は、DAU(デイリーアクティブユーザー)は25万人程度で推移していたが、リアルイベント開催日である1月22日からユーザー数が増加し始めている。

 限定キャラクター「ミカ」の実装や、最高レアリティキャラクターの排出率2倍が開始された24日には、DAUは40万人を超え、イベント「F.SCT攻略戦」や10連募集チケットの配布が行われた25日には45.5万人に増加。

 そして、「メグ」「カンナ」が実装、毎日無料10回募集が行われた1月31日には、DAUがイベント開始前の倍以上である52.0万人となっている。その後、連日の無料10連募集の影響もあり、50万人以上のDAUをキープしている。【グラフ①】

 

 リアルイベントからスタートし、限定キャラクターの実装や、無料チケットの配布、無料募集(ガチャ)を段階的にテンポよく実施したことにより、各イベント実施のタイミングで大きくユーザー数が増加していることがわかる。

 

1周年イベント時と比べると、WAUは約2.7倍

 次に、『ブルーアーカイブ』のリリースから今までのWAU(ウィークリーアクティブユーザー)の推移を見ていきます。

 『ブルーアーカイブ』は2021年2月4日に配信が開始され、初週のWAUは36万人、次週には約50万人となっていた。しかし、3月1週から明確ユーザー数の減少が見られる。【グラフ➁】

 

 それ以降もWAUの減少傾向は続いており、2022年の1周年イベント前には20万人以下で推移し、1周年イベントが行われた1月24日週のWAUは26万人程度となっていた。

 1周年以降でユーザー数が増加したのは2回。1回目は22年7月に行われた1.5周年の水着イベントで、最大WAUは約41万人となった。2回目は「ヤケクソ補填」が話題となった22年10月のイベントで、最大WAUは約53万人だった。

 一方で、今回行われた2周年イベントでは、WAUは1月30日週で72.6万人と、リリース時期の最大WAUの約1.4倍となっている。1周年イベント時と比べると、WAUは約2.7倍となった。【グラフ③】

 

 近年のアプリゲームの多くは、リリース時期のタイミングが最もユーザー数が多く、そこから徐々に減少していき、一定数まで減少すると安定期に入る。そのため、リリース時期のアクティブユーザー数を超えるということは、なかなか起きないものである。

 『ブルーアーカイブ』では、「ヤケクソ補填」の影響で一度ユーザー数がリリース時期を上回りましたが、 これは運営の意図的な行為ではなく、トラブル&リカバリーの効果によるものとも言える。

 しかし、今回の2周年イベント施策では短期間で多くの施策が行われ、その結果WAUはリリース時期を大きく超える70万となった。

 リリース初期の『ブルーアーカイブ』は非常にバグが多く、それを理由にやめるユーザーが多かった。だが、そういったゲームシステム上の問題を少しずつ改善していることを底支えとして、今回の2周年イベントでは、リアルイベントや人気キャラクターの実装、無料募集(ガチャ)などを段階的に短時間でテンポよく行うことで、話題性の波及を作りだした例だと言えるだろう。

 TVアニメの制作もすでに決定しており、今後もユーザーをさらに楽しませてくれることが期待される。

 

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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