「週刊少年マガジン」IPタイトルのユーザー層調査データ 『ぱずりべ!』は7割以上が20代が中心の女性ユーザー

 ゲームエイジ総研は、漫画IPに関する調査として、「週刊少年マガジン」作品のゲームアプリにおけるユーザーデータをまとめたレポートを公開した。

 対象となるタイトルは2022年12月に配信が開始された『ブルーロック Project: World Champion』と『東京リベンジャーズ ぱずりべ!全国制覇への道』で、同社のマーケティングデータサービス「iGage(アイゲージ)」を用いた調査を行っている。

 以下、ゲームエイジ総研の調査レポートを掲載。

 

ブルーロックPWC

 「ブルーロック」は2018年8月から連載がスタートし、現在も連載中の、いわゆるサッカー漫画。各地から集められた300人の高校生FWが日本代表になる権利をかけて争うというデスゲーム的な内容が話題となった。

 また、選手間の絆やチームワークではなく、個人の個性やエゴを求めるという特徴的な作品で、「史上最もイカれたサッカー漫画」と呼ばれている。2022年10月からアニメが放映され、2023年2月には、コミックスの累計発行部数が2400万部を突破。魅力的な男性キャラクターが多く登場することから、女性人気も非常に高い作品で、漫画「ブルーロック」では女性ユーザーを意識したコラボカフェの開催や、ポップアップストアなどが多く開催されている。

 そして2022年12月30日には、アプリゲーム『ブルーロック Project: World Champion』(以降『ブルーロックPWC』と表記)がリリース。リリースとともに2022年FIFAワールドカップで活躍した三笘 薫選手ともコラボを行ったこともあり、大きな話題を呼んだ。

 
『ブルーロックPWC』のユーザーは男性が約6割

 『ブルーロックPWC』のユーザー数の推移を見ると、初週の12月26日週には、42.25万人のWAU(ウィークリーアクティブユーザー)を獲得。初週以降も毎週30万人以上のWAUを獲得している。【グラフ①】

 また、ユーザーの男女比はおよそ6:4で、最も多いのは20代男性の17.2%、次いで10代女性の16.6%となっており、男性は10代から30代ユーザー、女性は10代から20代ユーザーを中心とする構成となっている。【グラフ②】

 漫画「ブルーロック」では女性向けのイベントが行われたこともあり、少年誌IPのゲームとしては女性割合が高めになったと考えられるが、アプリゲームとしてはやはり男性の割合が高いという結果となった。

 

東京リベンジャーズ ぱずりべ!

 続いて、「東京卍リベンジャーズ」は2017年3月より「週刊少年マガジン」で連載が開始され、2022年11月に最終話を迎えた作品。不良だった主人公が中学時代へタイムスリップし、かつての恋人を助けるべく暴走族チームの中で成り上がる姿を描いた漫画で、いわゆるヤンキー漫画でありながらもサスペンス要素やSF要素が取り入れられている。

 2021年4月からはアニメ放送が開始され、2023年1月からはアニメ第2期の放映も開始。また、2021年7月には、北村匠海をはじめ若年層に人気の俳優陣による実写映画が公開され、2021年公開の実写映画興行収入1位を記録した。さらに、2023年には2部作での続編実写映画化が決定されている。そのほか、舞台公演やリアル脱出ゲームイベントなども開催された。

 2022年12月にはアプリゲーム『東京リベンジャーズ ぱずりべ!全国制覇への道』(以降、『ぱずりべ!』と表記)がリリースされ、その翌月のアニメの放映開始とともに話題となった。

『ぱずりべ!』は7割以上が20代を中心とした女性ユーザー

 2022年12月8日にリリースされた『ぱずりべ!』は、サービスが開始初週である12月5日週に20万人以上のWAUを獲得。サービス開始2週目にWAUは24.41万人と最大値を記録した。その後、徐々にユーザー数を落としているが、15万人以上のユーザー規模を維持している。【グラフ③】

 ユーザーの男女比はおよそ25対75で、女性ユーザーが全体の4分の3を占めている。特に20代女性の割合は27.3%と突出しており、さらに30代女性、10代女性が続き、この10代から30代の女性層だけで、約60%のボリュームゾーンを形成していることが明らかとなった。また、男性は40代がトップで、女性と比較するとユーザーの年齢層が高くなっている。【グラフ④】

 『ぱずりべ!』はカジュアルなマッチ3パズルゲームであり、一般的にパズルゲームジャンルを遊ぶユーザーは女性と高年齢層が多いという傾向が見られる。しかし、20代~30代女性が圧倒的なシェアを占めていることからも、やはり「東京卍リベンジャーズ」のIPそのものがプレイ動機の大きな要素になっており、このIP支持層に対して、ゲームの魅力が充分に訴求できた結果であると言える。

 上記の2作品は、同じ少年誌のIPタイトルだが、ユーザー構成には違った傾向が見られた。『ブルーロックPWC』のゲームジャンルはシミュレーション、『ぱずりべ!』はパズルというゲーム性の違いによる影響もあるとはいえ、『ブルーロックPWC』は、少年誌の中心的なユーザーであろう若年層の男性が多く、一方で『ぱずりべ!』は女性のユーザーに支持されていることがわかった。

 ゲームエイジ総研は最後に「漫画IPのアプリゲームを配信する際には、まず漫画ファン層の動向を把握し、そのファン層が好むゲームジャンルやイベントなどを複合的に実施し、また、アプリゲームがヒットするタイミングや、そのアプリゲームによって漫画ファン層がどのように変化するかを考慮して配信することが重要です。その結果、漫画ファン層がアプリゲームのユーザーとなり、その反対に、アプリゲームから漫画のファン層が拡大するなどの相乗効果が期待できます。ただし、ゲーム化やアニメ化、実写化などのマルチな展開には、十分な予算や技術力が必要であり、成功するためには緻密な戦略と計画が必要となるでしょう。」とまとめている。

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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