
ネクソンは、8月11日、2021年度第2四半期(2021年4月1日~6月30日)連結業績を発表した。
連結売上収益は、会計基準ベースで前年同期比13%減少の560億円、営業利益は154億円を計上。広告宣伝費、人件費及び外注費を含む費用が影響し、四半期利益は90億円という結果となった。当第2四半期中に、ファンド投資に係る評価益及び受取配当金などの金融収益を計上する一方で、ビットコインの市場価格の変動により45億円の評価損を計上している。
韓国の売上収益については、『風の王国: Yeon』の売上収益が想定を上回った一方で、『メイプルストーリー』が想定を下回る。前年同期比では、売上収益は会計基準ベースで横ばい(一定為替レートベースでは10%の減少)となった。
セールスプロモーションの好評もあり、PC及びモバイルを合わせた『FIFA ONLINE 4』の売上収益が前年同期比で成長。『サドンアタック』(日本でのサービスは2019年9月25日に終了)も好調を維持し、売上収益が前年同期比で136%成長する。
一方で、前述した『メイプルストーリー』及び『アラド戦記』は前年同期比で減収。中国の売上収益の前年同期比は、会計基準ベースで30%の減収(一定為替レートベースでは37%の減収)となった。
日本の売上収益は、『メイプルストーリーM』及び『ブルーアーカイブ』が振るわず、ネクソンの業績予想を下回る。前年同期比では、『TRAHA』及び『メイプルストーリーM』が減収となった。北米及び欧州の売上収益の前年同期比は、『Choices』が減収している。
その他の地域の売上収益は、『メイプルストーリー』及び『メイプルストーリーM』の売上収益が当社業績予想を上回るも、『KartRider Rush+』と『V4』の減収により、前年同期比では減少した。
当第2四半期末時点において、2020年にネクソン取締役会が承認した上場企業に対する15億ドルの投資のうち、上限額の72%にあたる1,178億円(11億米ドル)の投資を完了し、276億円(2.5億米ドル)の含み益をその他の包括利益に計上している。
その他のトピックとしてネクソンは、8月2日に開発スタジオのベテラン、ユン・ミョンジン氏をPC版『アラド戦記』のグローバル統括責任者に指名したことを挙げる。ユン・ミョンジン氏は2014年から2017年に、PC版『アラド戦記』のディレクターを務めており、この間、韓国における新規登録者数は200%成長、PCカフェ占有率は最高記録を達成している。現在は、プレイヤーを再び惹きつけるコンテンツの開発戦略を計画しているとのこと。
7月には、ニック・ヴァン・ダイク氏が最高戦略責任者に就任。グローバルにおける戦略立案、M&A、経営企画及びパートナーシップを統括する。また、新設したNexon Film and Television部門の最高責任者としてネクソンが保有するIPの浸透・拡大に注力していく。
スウェーデンのストックホルムを拠点とする当社連結子会社のEmbark Studiosは、現在スタジオ初となるタイトルの公開ベータテストに向けてゲームをチューニング中だという。
Nexon Koreaは8月5日に、『PROJECT MAGNUM』、『Project HP』、『マビノギモバイル』及び『KartRider: Drift』を含む、開発中の新作12タイトルの最新情報を発表している。グローバル市場を視野に入れたタイトルであり、現在はプレイヤーの声を反映しながら、開発を進めているとのことだ。
ネクソンは2021年度第3四半期業績予想について、売上収益は654億円~715億円と予想。前年同期比18%から10%の減少となる。また、営業利益は201億円~253億円、四半期利益は150億円~189億円を予想している。