テンセント、ByteDance傘下Moontonとの裁判が激化 中国・上海で新たにMoonton側が著作権等の侵害で訴訟を提起

 

 ByteDance傘下Moontonが11月末、テンセントに対して、知的財産権の侵害で新たに訴訟を提起したことが中国・上海の知的財産裁判所のウェブサイトに掲載された最新のスケジュールによって明らかになった。

 香港のメディアSouth China Morning Postが報じるところによると、テンセントはMoontonが保有する『モバイル·レジェンド: Bang Bang』(モバイルレジェンド)の著作権等の権利を侵害したとして、29日から両社が裁判に臨んでいるという。

 Moontonは、当時テンセントのゲームプロデューサーであったXu Zhenghua氏が2014年に上海で設立したゲーム開発会社。『モバイルレジェンド』は、2016年にリリースされた5vs5のMOBAで、特にマレーシア、インドネシア、シンガポールなど東南アジアで絶大な人気を誇っている。なお、中国国内ではリリースされていない。

 

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 一方、テンセントは中国で圧倒的な売上シェアを保ち、世界で最もモバイル収益をあげているMOBA『王者栄耀』(2015年)や、2009年に誕生したMOBAの草分け的存在『League of Legends』(LoL)を保有している。

 テンセントとMoontonの両社は2017年から係争を続けており、深い確執がある。そもそも、Xu Zhenghua氏がテンセント在籍中にMoontonを設立したことから、競業避止義務をめぐる訴訟に発展。2018年7月にはテンセント側が勝訴し、1940万人民元(約3億7,000万円)の賠償命令が下されている。

 しかしMoonton側も2019年、不正競争を理由にテンセントを訴え反撃に。今年10月にはテンセントに商業的な名誉毀損行為があったとしてMoontonが勝訴し、テンセントには22万元(約420万円)の賠償が命じられた。

 そして現在も続いている複数の訴訟でも、テンセントは『モバイルレジェンド』が『王者栄耀』と『LoL』の知的財産を侵害したと主張している。

 

 その後、いくつかの提起はByteDanceが買収した2021年以降のものであり、直近ではテンセント子会社Riot Gamesが『LoL:ワイルドリフト』のコンテンツと販促用資料をMoontonが侵害していると訴えた米・カリフォルニア州での裁判が、11月に不成立となった。

 なおテンセントは2021年、Moontonの買収競争にも参加していたが、当時ゲーム事業(Nuverse)を拡大していた競合ByteDanceが最終的に競り落とした。『モバイルレジェンド』は以降、ByteDanceの主力タイトルとしてゲーム事業を支えている。

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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