2022年、テンセントやアリババを含む中国のインターネット業界が史上初となる合計収益の減少を報告したと、香港メディアSouth China Morning Post が報じている。
報道によると、年間収益が2000万元以上の企業を対象としたインターネット市場における合計の売上高は前年比1.1%減の1兆4600億元(約28兆4,800億円※)で、2017年にデータが公開され始めて以降、初の減少を記録。過去6年間で急成長を遂げてきた中国IT企業にとって対照的な結果となった。
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この鈍化について同紙は、世界的な景気減速の中で国内大手企業の勢いが衰えたことや経済に悪影響を与えるゼロコロナ政策による規制強化などが原因だとしている。
分野としては、ライドヘイリング、旅行、金融などのインターネットサービスが最も大きな打撃を受け、前年比17.5%減。対して、Eコマース、医療用品、宅配便などオンライン販売は前年比12.6%増となり、情報サービス(ニュースや情報検索、ゲーム、音楽、ビデオ)は同4.9%増となった。
ただし、市場調査会社のCNG(伽馬数据)によると、2022年第3四半期(7-9月)の中国ゲーム市場は、売上高が597億300万元で前年同期比12.61%減を記録。ゲーム分野だけで見れば、大きく落ち込んでいることがうかがえる。
そして、インターネット業界におけるビックテックのテンセントHDは、2004年の上場以来2度目となる、四半期における損失を計上している。同社はゲーム部門においても近年、国内展開で苦境に立たされてきた。
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なお、中国におけるインターネットユーザー数は10億5000万人を超え、昨年のインターネット普及率は74.4%。依然として世界最大のオンライン人口となっている。