『戦場のフーガ』開発背景にも…サイバーコネクトツーが掲げるIP戦略「ネクストプラン」を改めて紹介

 11月27日(土)から28日(日)の2日間、ゲームクリエイター向けのカンファレンス「CEDEC+KYUSHU 2021 ONLINE」が開催する。当日は、コンピュータエンターテインメント開発技術者やクリエイター、ゲーム業界を目指す学生を対象に、デジタルエンターテイメント技術の講演が行われる予定だ。

 11月28日に開催予定のセッション「自社初パブリッシングタイトル『戦場のフーガ』開発に学ぶ短期開発の課題と対策」では、サイバーコネクトツー代表取締役・松山洋氏が登壇。2021年7月29日にリリースされた『戦場のフーガ』を例に、 短期開発タイトルの課題と対策、ゲームクオリティーアップの過程やプロモーション手法などの紹介が行われる予定となっている。

 本稿では、セッションに向けた予習として、『戦場のフーガ』について紹介。サイバーコネクトツーが掲げているIP戦略「ネクストプラン」についても、あわせて説明していく。

 

自社初パブリッシングタイトル『戦場のフーガ』開発の背景

 1996年に設立し、現在は福岡本社、東京スタジオ、モントリオールスタジオの3つの拠点を持つサイバーコネクトツー。代表的な作品に「.hack」シリーズ(2002年~2017年)、「NARUTO -ナルト- ナルティメット」シリーズ(2003年~2018年)、『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』(2021年)などがある。

 「CEDEC+KYUSHU 2021 ONLINE」で扱われるシミュレーションRPG『戦場のフーガ』は、1998年にPlayStation向けにリリースされた『テイルコンチェルト』、2010年にニンテンドーDS向けにリリースされた『Solatorobo それからCODAへ』に続く、「リトルテイルブロンクス」シリーズの最新作。

 「イヌヒト」と「ネコヒト」という2種類の種族が暮らす浮遊大陸を舞台に、戦車を使った11人の子どもたちが活躍する。子どもたちを戦況に合わせて戦車の各砲座に編成させるマネジメント要素と、キャラクターの可愛らしい見た目からは想像ができないようなハードな物語展開が話題を呼んだ作品だ。

 『戦場のフーガ』がリリースされた背景には、2018年に発表されたIP戦略「ネクストプラン」が大きく関係している。ネクストプランの目標は、強力なオリジナルコンテンツをワールドワイドで展開していくこと。

 従来通り、重厚長大なタイトルの受託を行いつつ、サイバーコネクトツーのパブリッシングのタイトルについてPlaystation4、Playstation5、Xbox One/Xbox Series X|S、Nintendo Switch、Steam、Epic Games Storeのスーパーマルチのワールドワイド同発で、短期開発していく方針が打ち出されている。

▲画像はサイバーコネクトツーの公式サイト(https://www.cc2.co.jp/nextplan/)より

 ネクストプランでは、ゲーム・アニメ・マンガのメディアを連動させる、3つのプロジェクトも進行している。それぞれのプロジェクトについて、以下にまとめていく。

 

C5プロジェクト

 サイバーコネクトツーのパブリッシングでの商品化を目的とした企画で、「CyberConnect Creative Challenge Competition」の略称。

 社内で行われた企画コンペで選出された3タイトルが、「復讐三部作」として開発スタート。復讐三部作の第一弾として、前述したシミュレーションRPG『戦場のフーガ』がリリースされた。

 現在はファンタジー世界と架空の日本の歴史を併せ持つ剣戟アクション『刀凶百鬼門』(トーキョーヒャッキモン)と、ゴスロリと魔女をテーマにした2.5D横スクロールアクションゲーム『CECILE』(セシル)の開発が進められている。

 

●A5プロジェクト

 サイバーコネクトツーが制作するオリジナルアニメプロジェクトで、「ASTONISHING」「AMBITIOUS」「ADVANCED」「AMAZING」「ANIMATION」の略称。

 A5プロジェクトとは別枠となるが、アニメ制作スタジオ「TriFスタジオ」による完全オリジナル作画アニメーション作品『メカウデ』の製作に、サイバーコネクトツーが全面協力している。

 

●M5プロジェクト

 サイバーコネクトツーが企画原案で制作するオリジナルマンガプロジェクトで、「MANGA」「MYTH」「MIRACLE」「MARVELOUS」「MASTERPIECE」の略称。

 松山氏が原作を務めるゲーム業界を舞台にした漫画『チェイサーゲーム』のシーズン1が、11月8日まで「ファミ通.com」にて連載されていた。ファミ通.comの掲載は2021年12月31日までとなっている。

 そのほか、サスペンスドラマ『エンコー ~冤公~』、時代劇チャンバラアクション『しごにんの侍』の企画が進行している。

▲現在、漫画家の募集は終了している

 

 11月28日に開催予定のセッション「自社初パブリッシングタイトル『戦場のフーガ』開発に学ぶ短期開発の課題と対策」では、松山氏が短期開発タイトルに関する問題や課題に対する対策術について紹介。さらには、ゲームクオリティーアップの過程やチームマネジメント術、プロモーション手法などの説明が行われる予定だ。

 セッションで取り上げられる『戦場のフーガ』は、11月29日まで通常版・デラックスエディション(PS4版・PS5版)が35%オフになるキャンペーンが行われている。興味のある方は、講演の前にぜひプレイしておいてほしい。

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島中 一郎(Ichiro Shimanaka)
島中 一郎(Ichiro Shimanaka)https://www.foriio.com/16shimanaka
ライター。ゲーム・アニメ業界を中心にニュース記事の執筆、インタビュー、セミナー取材などマルチに担当。ボードゲームが趣味であり、作品のレビューや体験会のレポートを手掛けるほか、私生活で会を催すことも。無類のホラー好き。

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