セガは、12月10日（現地時間12月9日）にロサンゼルスで開催された「The Game Awards 2021」のイベント内で、セガを代表する「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」のPS5/PS4/Nintendo Switch/Xbox Series X|S/Xbox One/PC向け新作ゲームタイトル『ソニックフロンティア』を2022年冬に発売することを発表した。

　「ソニック」といえば、ハイスピードで自由に駆け回る爽快感が人気のシリーズ。今回発表された『ソニックフロンティア』のティザーサイトでは、広大な自然が垣間見られるグラフィックやティザービジュアルを公開している。

　具体的なゲームシステムは不明だが、発表された内容からはオープンワールド風なゲームデザインを思わせる部分があり、公式文には「体感したことのない全く新しい冒険」という期待が膨らむ記述がなされている。

　そして新作発表と同時に、セガは同社のリリース内でグローバルメディアミックス展開を積極的に推進する方針を改めて打ち出している。

　「グローバル」「IP活用」をキーワードとした成長戦略を中長期的に掲げているセガは、これまで「ソニック」IPをゲームのみならず、映画、アニメ、音楽、マーチャンダイジングなどでグローバルに展開してきた。『ソニックフロンティア』に関しても、多言語対応、世界同時での発売を予定。

　この数年、セガの抱えるIPからは「龍が如く」や「ペルソナ」など、日本を中心に愛されてきたタイトルが海外進出に成功した例がいくつもあることから、グローバル展開は当然の流れに思えるところだが、「ソニック」に関しては些か毛色が異なるように感じられる。

　というのも、1990年代、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』が欧米でのGENESIS（メガドライブ）を大きく牽引した下地もあり、人気という点では欧米が「ソニック」のメインストリームと言えるからだ。

　もちろん筆者を含め、日本にもソニックファンが多数いることは確かだが、海外と日本での注目度の差は、Twitter等でのインプレッションからもある程度うかがうことができる。

　ソニックチームが関わらない、海外をターゲットにした「ソニックトゥーン」（原題：Sonic Boom）といったメディアミックスも現地で好評を博すなど、これまでの「ソニック」は日本を少し置き去りにして、その認知度や人気を高めている印象があった。もちろん日本でソニックIPが展開されていないというわけではなかったが、海外と比べて盛り上がりが落ち着いていたと言えるだろう。

　だが初代『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』発売から30周年の節目を機に、自社タイトルとのコラボやグッズ展開等の記念施策の各種取り組みによって露出を増やす動きが見られ、今回『ソニックフロンティア』が発表。ある意味で日本をターゲットに捉え直したとも考えられる。

　今後、セガはゲーム『ソニックフロンティア』を2022年冬に発売すると共に、2作目となるハリウッド映画作品『ソニック・ザ・ムービー／ソニック VS ナックルズ』（日本では2022年夏公開）や、WildBrain と共同で製作する全編新作のNetflix配信アニメ『SONIC PRIME（ソニックプライム）』（2022年予定）などのメディアミックスを世界で展開予定。

　以上のように、メディアミックスを強化しつつワールドワイドに展開していくことで更なるIPの拡大を目指す構えだ。ソニックのいちファンとしては『ソニックフロンティア』の詳細が明らかになることを待ちつつ、日本市場がソニックに追いついてくれることを願うばかりだ。