2022年8月、海外で成功した中国モバイルゲーム 『Tower of Fantasy(幻塔)』が海外売上高の伸び率でトップに

▲画像はSensor Tower「2022年8月成功出海的中国手游 -《幻塔》问鼎海外收入增长冠军,多款出海新游收入增长强势」より

 アメリカの調査会社Sensor Towerは同社のブログにおいて、2022年8月の海外進出に成功した中国のモバイルゲームTOP30を公開した。なお、本記事の数字は同社の推計によるものである。また、ここでの海外とは、中国を除く世界市場のことを指す。

▲2022年8月、海外市場における中国モバイルゲームのセールスチャート

 8月24日、miHoYo(HoYoverse)の『原神』Ver3.0の大型アップデートが実施。新地域「スメール」が開放されたほか、新たな元素反応、弓使いの★5キャラクター「ティナリ」を始めとした新キャラクター、および新モンスターが登場するアップデートとなっている。これにより、今月も安定した海外売上高を記録し、チャートの上位を維持している。

 テンセントの『PUBG Mobile』では新シーズンが開幕し、8月の海外売上高が前年同月比21.2%増となった。セールスチャートでは3ランクアップの2位に浮上している。2022年8月現在、同ゲームの海外売上高は36億ドル(約5,173億円※)を超え、米国、日本、サウジアラビアが高い売上高を記録している。

※執筆時点の最新取引レートで計算

 日本においては8月、「オーバーロード」とのコラボイベントを実施し、「アインズ」「アルベド」「デミウルゴス」「シャルティア」「ナーベラル」「シズ」といったキャラクターのボイスカードが実装された。なお、月末には「ドラゴンボール超」とのコラボイベントの2023年開催が発表されている。

 8月11日、テンセントのグローバルブランドLevel InfiniteとPerfect World(完美世界)の子会社Hotta Studioが共同で、SFオープンワールドRPG『Tower of Fantasy(幻塔)』を日本含む海外市場で配信開始。リリース以来、急速に収益を伸ばしており、8月には海外売上が4,400万ドル(約63億円)を超え、セールスチャートのTOP5にランクインし、伸び率チャートでもトップとなっている。海外売上に占める日本市場の割合は約42%に達している。

 テンセントとアクティビジョン・ブリザードが共同開発する『Call of Duty Mobile』は、8月4日にシーズン7をスタートし、海外売上が前年同期比29.1%増。3ランクアップの6位に浮上し、伸び率チャートでは5位を獲得している。2019年10月のリリース以来、海外総売上高は15億5000万ドル(約2,228億円)を突破している。期間中、アニメ「攻殻機動隊 SAC_2045」とのコラボイベントを実施した。

 Yosterの『アークナイツ』は、日本でのリリース2.5周年の影響もあり、日本市場を中心に熱い盛り上がりを見せており、7月の海外売上187%増に加え、8月はさらに71%増となった。これにより、セールスチャートで13ランクアップの10位、期間中の伸び率チャートで4位を獲得した。

▲2022年8月、海外市場における中国モバイルゲームの売上高伸び率チャート

 Habbyの『ダダサバイバー』(Survivor!.io)は、伸び率チャートで2位にランクイン。8月上旬に海外市場で正式サービスを開始すると、米国、韓国、中国、台湾、香港、マカオなどのApp Storeダウンロードチャートですぐにトップに立ち、発売後1ヶ月未満で海外売上高が1,400万ドルに迫る人気となった。同作はゾンビを題材にしたSTGで、襲ってくるゾンビ(モンスター)を相手に、銃火器で殲滅し生き残ることが目的。片手操作の手軽な操作感や、育成やローグライクの要素が盛り込まれている点が売りの作品だ。

【関連記事】
Habbyの『ダダサバイバー(原題:Survivor.io)』が売上1,500万ドル、DL数1200万を突破

 Sky Entertainmentの新作MMO『时之约』は、8月上旬に中国、台湾、香港、マカオ、シンガポール、マレーシアでサービスを開始。時空を超えるファンタジーをテーマに、台湾の女優・陳 喬恩(ジョー・チェン)氏の起用した広告展開により、伸び率チャートで8位にランクインした。

 そのほか、MergeGamesの『Gossip Harbor』は、8月の海外売上高が7月の4倍になり、伸び率チャートで12位にランクインした。レストランの再建や人間関係にフィーチャーした物語展開が特徴的。

▲2022年8月、海外市場における中国モバイルゲームのダウンロードチャート

 そして、海外市場におけるダウンロードチャートでは、Wonder Groupのハイパーカジュアルゲーム『Save the Doge』が、海外市場において7月のダウンロード数の3.7倍となる1,500万ダウンロードを突破しチャート首位に。犬のキャラクター「Doge」をハチの脅威から守るシンプルなパズルゲーム。

 Hippo Labのスネークゲーム『Snake Lite』も先月に引き続き好調で、8月のダウンロード数が30.7%増加し2位に浮上した。

 Perfect Worldの子会社Hotta Studioによる『Tower of Fantasy(幻塔)』は、8月11日のグローバルリリース以来、855万ダウンロードを記録し、ダウンロードチャートで4位にランクイン。

 また、前述の『ダダサバイバー』(Survivor!.io)は今月850万回以上ダウンロードされ、5位にランクイン。その40%が米国市場からのダウンロードとなっている。

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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