2022年1~8月、ハイパーカジュアルゲームのダウンロード数は87.3億 ダウンロード数は減少するも売上高は増加傾向続く

 アメリカの調査会社Sensor Towerは同社のブログにおいて、2022年1~8月におけるハイパーカジュアルゲームの調査データを公開した。モバイルゲーム市場におけるハイパーカジュアルゲームの重要性やトレンドについて分析している。

 ハイパーカジュアルゲームは、2019年から4年連続で、世界で最もダウンロードされているモバイルゲームのカテゴリーとなっている。あらゆるゲームジャンルの中でも、シンプルな操作性・ゲーム性が特徴的。

 同ジャンルは2022年1~8月の期間、87.3億DLを記録し、全世界のモバイルゲームにおける総ダウンロード数の30%を占めた。

▲ハイパーカジュアルゲームとその他ゲームのダウンロード比率。濃い緑(左)がハイパーカジュアルゲームの占める割合となっている。2017~2021年まで比率は増加し続けていたが、2022年は微減。

 ダウンロード数自体は2021年から減少しているものの、ゲーム内課金による収益は増加傾向を維持。同期間の累積収益は1億6000万ドル(約231億円※)に近い数値となっている。

※執筆時点の最新取引レートで計算

▲月別、ハイパーカジュアルゲームのダウンロード数の推移(左)、売上の推移(右)

 アジアでは、ハイパーカジュアルゲームのダウンロード数が年々増加。2022年には全世界のダウンロード数の38%を占め、最大市場であるとともに、主要成長市場のひとつとなっている。主にインドネシア、ベトナム、フィリピンなどの東南アジア諸国で伸びており、2022年にはいずれも前年比15%以上増加すると予想される。

▲年別、ハイパーカジュアルゲームにおける地域のダウンロード比率。アジアおよび中南米でダウンロード数が伸長している。

 一方、北米や欧州、ブラジル、ロシアといった地域では、ハイパーカジュアルゲームのダウンロードシェアが近年減少を続けている状況。米国とロシアではダウンロード数が前年比15.3%減、20.4%減となった。ロシアに関しては、ウクライナ侵攻を受けての企業撤退が大きく影響したものと考えられる。

▲ハイパーカジュアルゲームにおけるダウンロード数の昨対比。減少で顕著なのは、美国=米国(15.3%減)、巴西=ブラジル(9.8%減)、俄罗斯=ロシア(20.4%減)英国(14.3%減)。一方で増加が顕著なのは、印度尼西亜=インドネシア(20.0%増)越南=ベトナム(15.1%増)、菲律宾=フィリピン(17.3%増)、巴基斯坦=パキスタン(13.2%増)となる。

 そして、Sensor Towerは「ハイパーカジュアルゲーム市場は急速に変化し、競争が激化している」と指摘。

 2022年、ハイパーカジュアルゲームの世界ダウンロードチャートでは、Homa Gamesの『Merge Master』(Merge & Fight)が首位を獲得。Take-Two Interactiveの新作『Fill The Fridge』が3位にランクインしている。

 特筆すべきは、2021年に多くダウンロードされたトップ10のうち、『Join Clash 3D』や『Hair Challenge』など6タイトルがすでにトップ10から脱落している点。トレンドの移り変わりが激しくなっていることがうかがえる。

▲年別、ハイパーカジュアルゲームの世界ダウンロードチャート

 なお、『Merge & Fight』はユニットを合成(マージ)して強化し、敵を倒していくことが目的の作品。一方の『Fill The Fridge』は、購入した大量の品物を冷蔵庫に仕分けて入れるパズルとなっている。

 

 急速に変化する市場の中で、若いパブリッシャーにも活躍の場が広がっているという。イスラエルのironSourceとの合併を完了したパブリッシャーSupersonic Studiosは2022年、約7.7億ダウンロードを獲得しハイパーカジュアルパブリッシャーとしてトップに。同社は2020年に設立された、比較的若いパブリッシャーである。

▲ハイパーカジュアルゲームのパブリッシャー別ダウンロード数。中でも、Supersonic Studiosのダウンロード数が頭一つ抜けていることがわかる。

 Supersonic Studiosの『Bridge Race』と『Going Balls』は前述の2022年のダウンロードチャートでそれぞれ2位と4位にランクインしている。

 『Bridge Race』は、ブロックを集めてブリッジを構築し競争するレースゲーム。一方の『Going Balls』は、ボールを操作して、障害物を避けながらゴールを目指す作品となっている。

 

 現在、ハイパーカジュアルゲームのマネタイズは主に広告であり、2022年の主な広告出稿プラットフォームはAppLovin、Unity、ironSourceとなっている。中でも、AppLovinは世界のハイパーカジュアルゲームにおける広告全体の37%を占めている。

 広告の形式は動画広告が主流で、全体の約60%を占める。そのほか、プレイアブル広告(実際にゲームがプレイできるタイプの広告)の22%は主にironSourceとAppLovinのプラットフォームで出稿されている。両プラットフォームでは、動画広告に迫る割合でプレイアブル広告が出稿されているようだ。

▲2022年、iOS向けアプリの広告形式の比率。動画広告(青)、全画面広告(緑)、バナー広告(橙)、プレイアブル広告(黄)と4種類で分類されている。

 また動画広告において、効果を高める手法としては主に「コアなゲームプレイを素早く見せる」、「失敗例を示してユーザーの感情を刺激する」、「CTA(コール トゥ アクション)でユーザーを誘導する」、「音楽を加えてユーザー体験を高める」などの戦略が用いられている。

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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