『GTA』等世界的ヒット作を持つTake-Two、米ソーシャルゲームの最大手Zyngaを127億ドル(約1兆4,618億円)で買収

 Take-Twoは、ソーシャルゲーム開発会社の大手・Zyngaを買収することを発表した。本取引は2023年度第1四半期(2022年6月30日締切)中に完了予定とのこと。なお、買収額は127億ドル(約1兆4,618億円)と推定される。

 米ニューヨークに本拠を置くTake-Twoは、ロックスター・ゲームズや2Kなど著名なデベロッパを子会社に持つ。「グランド・セフト・オート」や「シヴィライゼーション」「バイオショック」「レッド・デッド・リデンプション」「NBA2K」など、主にコンソールタイトルで世界的ヒット作を数多く保有している。

 一方Zyngaは、米ソーシャルゲームの最大手だ。かつてはFacebookのソーシャルゲーム市場を席巻し、1日数千万のアクティブユーザー数を誇る『CityVille』や『FarmVille』などを世に送り出してきた。しかし、当時の同社はPCブラウザゲームが主力。2012年以降はモバイルゲームへの移行に難航し、競合他社に水をあけられることになり、全盛期と比較して業績は低迷した。

 それでも直近の決算(2021年第3四半期)では、前年比40%増となる7億500万ドル(約811億円)の収益を計上。パズルゲームの『Toon Blast』や『Merge Dragons!』、さらには『Hair Challenge』をはじめとした、ハイパーカジュアルゲーム事業も成功を収めている。

 そして2021年10月には『Golf Rival』のデベロッパStarLarkを約587億円で買収するなど、気づけば世界で通用する盤石なアプリポートフォリオを築き上げた。

▲『Toon Blast』(左)や『Hair Challenge』(右)は国内でもスマッシュヒットを記録している。

 

 今回の買収の狙いは、相乗効果や新たな収益機会が挙げられる。なかでもTake-Twoはモバイルゲーム事業の強化、広告プラットフォームの活用・効率化、F2Pのビジネスモデルの知見などが得られる。当然Zyngaにも世界的IPの活用及びコンソール/PCのユーザー相客などの恩恵があるだろう。

 また、Take-TwoのCEO兼会長であるStrauss Zelnick氏のコメントでは、「この取引により、当社のビジネスは大幅に多様化し、モバイルゲーム分野でのリーダーシップを確立する」と同分野の強化に言及している。

▲本取引後は、業界屈指の事業ポートフォリオが築かれる。画像はプレゼンテーション資料より。

 

 今回の買収額127億ドルは、2016年のテンセントによるsupercellの買収(86億ドル)、2020年のマイクロソフトによるゼニマックスの買収(75億ドル)を上回る、ゲーム業界の最高額となる。今後のTake-TwoとZyngaのシナジーに期待。

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原 孝則(Takanori Hara)
原 孝則(Takanori Hara)https://pickups.jp/
PIckUPs! 編集長。出版社で雑誌とWebメディアの編集を経験した後、大手ゲーム会社で多数のマーケティングプロジェクトに携わる。2015年にSocial Game Infoの副編集長に就任。2017年に起業し、独自のニュースサイト「PickUPs!」を立ち上げ、現職。

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