『AFKアリーナ』1周年 放置系RPGの開発秘話とクリエイティブをLilith Gamesに訊く

 2021年6月30日で国内サービス1周年を迎えた、スマートフォン向け放置系育成ファンタジーRPG『AFKアリーナ』。絵本のような親しみやすいグラフィックをはじめ、戦略性に富んだバトルやド派手なスキルアニメーション、やり込み要素のある育成など、国内ユーザーからも高い評価を得ているゲームアプリです。

 全世界で累計6,500万ダウンロードを記録する同作は、さきに配信されたグローバル版において、アジア圏にとどまらず北米でも高く評価され、2020年1月の世界モバイルゲームの売上ランキングでは2位にランクインしました(App Annie調べ)。

 その後日本でもリリースされ、早々にApp Storeのダウンロードランキングでは1位、セールスランキングも最高TOP5入りを果たすなどの大ヒットを記録。

 開発・運営を務めるLilith Gamesは、中国・上海に社を構えるゲームデベロッパーです。『アート・オブ・コンクエスト』や『ソウルクラッシュ』など世界的なヒット作を持ち、2019年12月にはリアルタイムストラテジー『Rise of Kingdoms ―万国覚醒―(以下、ライキン)』で日本に進出、こちらも成功を収めています。

 昨今、国内のゲームアプリ市場において、放置系ゲームのヒット作が続いています。なかでも中国系企業の進出が目覚ましく、いずれもアプリストアのセールスランキングで上位を記録。例に漏れず『AFKアリーナ』もそのヒット作のひとつですが、絵柄や世界観、ゲーム内容のいずれを取っても、従来の放置系ゲームの様相とは異なります。

 『AFKアリーナ』が国内で、そして世界でヒットした要素はどこにあるのでしょうか。

 今回、モバイルゲームアプリを専門とする分析会社「スパイスマート」の協力を経て、『AFKアリーナ』のメインプランナーである陈沁(チン シン) さんのインタビューが実現しました。開発エピソードをはじめ、成功要因、日本市場における取り組みなど、同作がヒットした背景を紐解いていきます。

陈沁(チン シン)

『AFKアリーナ』メインプランナー。2014年、新卒スタッフとしてLilith Games入社。『ソウルクラッシュ』の開発に携わったのち現職。

取材・企画・執筆:原孝則
編集協力:森口拓海
取材協力:株式会社スパイスマート

 

日本でヒットした3つの要因

本日はよろしくお願いします。これまで御社では、スマートフォン向けの硬派なRPGやストラテジーをリリースしてきましたが、次作に“放置系”ジャンルを選んだのはどういう背景があったのでしょうか。

実は、『AFKアリーナ』は『ソウルクラッシュ(※)』開発メンバーによる新作です。放置系ジャンルを選んだ理由も、この作品の開発・運営の経験やユーザーのフィードバックをもとに着想を得ました。

※ソウルクラッシュ:全世界8000万ダウンロードを記録した大ヒットスマートフォン向けRPG。バトルは、シミュレーションRPGやラインディフェンスなどの要素を取り入れ、見た目のカジュアルさを保ちつつ、戦略性に富んでおり評価が高かった。国内では2015年にリリースされたが、現在はサービス終了している。

▲『ソウルクラッシュ』ゲーム画面(公式PVより)

 

『ソウルクラッシュ』といえば、全世界で大ヒットしたスマホ向けRPGです。同作の良いところを抽出して、『AFKアリーナ』に繋げたのでしょうか。

いえ、逆です。『ソウルクラッシュ』に寄せられたユーザーのネガティブな意見を払拭するように、企画・開発を進めていきました。

 

ネガティブな意見とは、どのようなものが挙がっていたのですか。

もっとも多かったのは「ゲーム内のタスク消化が疲弊する」というものでした。本来企業側からすれば、多くのユーザーにたくさんゲームを遊んでもらいたいものですが、それらが行き過ぎてしまうと返ってユーザーの負担にも繋がっていたようです。

「ログインボーナス」や「デイリーミッション」など、いずれも必要なゲーム内施策ですが、きちんと時間をかけてログインしたり、ミッションをクリアしたりしないと、一定の報酬がもらえないというのはユーザーにとっては大変ですし、ゲームに対するモチベーションも下がります。

こうした経験から次作のジャンルを放置系RPGに決めました。

 

そういう意味では、『ソウルクラッシュ』とは真逆のコンセプトを据えたのですね。

そうですね。『ソウルクラッシュ』は硬派で、やり応えのある内容が評価を得ていますが、『AFKアリーナ』では“なるべく軽いものに…”を意識して差別化を図りました。また、「これまで開発したこのない新しいゲームを作りたい」という弊社としてのチャレンジ精神もプロジェクトが立ち上がった背景のひとつです。

 

とはいえ『ソウルクラッシュ』で得た経験も存分に発揮されているのではないでしょうか。

はい。主にバトルが該当します。

▲『AFKアリーナ』の編成画面(左)とバトル画面(右)。バトルは基本的にオートで進行し、任意のタイミングでスキルを発動可能。キャラの配置により戦況が変わるため、編成によって戦略を立てたりすることも本作の醍醐味となっている。

 

『ソウルクラッシュ』ではキャラクターの配置を入れ替えることで、戦況が大きく変わる要素を取り入れていたのですが、『AFKアリーナ』でもそれらをメインに据えています。

一見「ただキャラを入れ替えているだけ…」と思われるかもしれませんが、実際に少しの調整をすることで職業の優位性や攻撃・スキルの範囲が奏功して、倒せなかった敵を倒せるので、ほかにはないトライ&エラーの面白さを味わえるのが特徴です。

国内でも複数の放置系RPGがヒットしています。国内でヒットした要因はどのように分析されていますか。

ほかの放置系RPGの特徴などは詳細に存じ上げませんが、本作が日本でもヒットした要因には、次の3つがあると考えています。

1. 世界中から支持されるゲームデザイン
2. 時間の余裕がないユーザーにも配慮
3. 全世界のユーザーからのフィードバックを意識

 

なるほど。1つ目から詳しく教えてください。

Lilith Gamesでは、特定の国でヒットを狙うという考え方はなく、世界中のユーザーから支持されるようなゲーム作りをつねに目指しています。つまり、日本という特定の国にターゲットを絞るのではなく、世界中のユーザーが「面白い」といってもらえるクオリティを目標としていました。

それを実現するために、なかでも『AFKアリーナ』ではビジュアルにこだわりました。

▲『AFKアリーナ』のビジュアル

アジア圏特有のアニメ色が強いものではなく、世界でも認知されているおとぎ話の雰囲気とストーリー性を強調した結果、現在のステンドグラス風の立ち絵を確立しました。そのうえで、カートゥーン風の2D流線型の線画と、シンプルな幾何学模様の要素を結合させ、さらにブラッシュアップして本作のデザインに行き着きました。

 

『AFKアリーナ』のビジュアルは本当に独特ですよね。ゲームのなかでもビジュアルは重要視されると思いますが、だからこそ流行や安パイなデザインに終始しそうですが。

これまでのゲームアプリには見られないデザインのため、開発当時はアートデザイン部門の担当者も不安に思っていたようです。ですが、結果として『AFKアリーナ』のデザインは違和感を抱かれず、世界中のユーザーから支持されました。

アニメ的な絵柄ではありませんが、シンプルなデザインや、深掘りしたキャラクター背景も手伝ってか、日本でも二次創作が盛り上がりを見せていると聞き及んでいます。

 

キャラクター背景は長文で読み応えあります。これらの要素はキャラの魅力を高めるものだと思いますが、いかがでしょう。

そうですね。実は、これは日本のゲームアプリの運用方法を参考にさせていただきました。日本のゲームは、キャラクターの描写や設定がとても丁寧なので、本作でもそう感じてもらえるようキャラクター背景というテキスト(ストーリー)を通して表現しています。

こうした世界観やキャラ設定の描写は、こだわればこだわるほど、ゲームとユーザーの関係もより強固にするものだと思います。

 

キャラクター背景を閲覧すると有償アイテムを獲得できますが、これも積極的に見てほしいという考えがあるのでしょうか。

もちろん、なるべく見てほしいものですが、「必ず読んでください!」という押し付けがましいものではなく、期間限定イベントのストーリーと関連させるなどの自然に読んでもらえる工夫も施しています。

我々が用意したストーリーを隅々まで読んでいただくのではなく、あくまでもユーザーのほうで想像できる余地を残しておくことで、キャラクターにも想いを馳せてくれるものだと考えています。

 

ちなみに今後マーチャンダイジングの展開はお考えですか。

はい。コミカライズやグッズ化など、『AFKアリーナ』のキャラクターの魅力をより多くのユーザーに知ってもらうための取り組みを進めています。

▲国内1周年を記念して、本作のアニメPVを公開。
いつもとは雰囲気の異なるキャラクターたちの登場に、国内ユーザーからも高い評価を得た。

 

分かりました。2つ目の「時間の余裕がないユーザーにも配慮」というのは“放置系”ならではだと思います。

そうですね。ほかの放置系RPGがどれくらいの報酬設定にしているかはうかがい知れませんが、『AFKアリーナ』でも時間がなくても楽しめるというメリットをきちんと用意しています。“放置系”というゲームスタイルは、やはり評価されていると思います。

 

3つ目は、グローバルタイトルの強みですね。

はい。弊社では、ユーザーと運営の距離感の近さを大切にしています。日々寄せられるユーザーからのフィードバックは、即座にゲーム内で改修したり、課題点として挙げたりしているので、当然日本のみなさんからも声も届いています。

 

日本配信では細やかな改修を施す

日本向けに際してローカライズやカルチャライズもされたと思いますが、こだわった点について教えてください。

私は日本版における担当者ではありませんが、事前に日本チームに聞き及んだことを代弁させていただきます。

まずローカライズではゲーム内の世界観を重視して作業しました。口調と文化が異なるだけではなく、原文で翻訳された文字数だと枠からはみ出てしまう問題があったため、ゲーム内のテキストはひとつひとつ丁寧に人の目と手で意味を確認して、翻訳していきました。

また、翻訳の担当者には事前にゲームをプレイしていただき、世界観やストーリーを理解したうえで翻訳にも臨んでもらっています。ちなみにキャラクター設定及びストーリーなどは、日本のプロのライターにリライトしていただいています。

そのほか、テキストの段落については読みやすいように工夫をしています。実はこれは日本独自で調整しているもので、他国言語とは全く別のフォーマットで翻訳対応をしています。

▲キャラのバックボーンを説明したストーリーページ。

雑なローカライズだと改行なしで流し込まれることもあるが、綺麗に読みやすい場所で改行されている。こうした細かな配慮が、ユーザーからの評価にもつながるものだ。

 

カルチャライズについてはいかがでしょうか。

日本版では、独自の調整をたくさん行っていますね。たとえば、有償と無償ダイヤの区別&確認、無償ダイヤが優先的に使われる仕様、ガチャの排出率表記、課金アイテムの説明表示、イベントのルール詳細などなど、細かい要素から利便性につながるものを調整しました。

これから実装される新コンテンツについても、毎回日本市場で適しているかどうかの事前テストは必ず行っています。

 

日本市場におけるマーケティング(リリース前後)施策についても教えてください。本作は事前登録期間が約1ヵ月半と昨今のタイトルのなかでは比較的短い印象であるほか、その短期決戦で打ち出した背景には『ライキン』の成功例やノウハウなども参考にしたのかなと思いました。

既存タイトルの事例も参考にしましたが、主にリリース前は市場リサーチを行いました。というのも、まだ当時の日本では「放置系」というゲームジャンルにあまり馴染みがなく、国内ユーザーの支持や理解が追い付いていませんでした。ですが、だからこそ“伸びしろ”があるゲームジャンルであることも確信しました。

一方でプロモーションの訴求文言については「放置」を前面に打ち出すと、ほかの放置系タイトルや同名タイトルを連想してしまうリスクがあったので、競合他社と差別化を図るために「自分で強くなれるRPG」という切り口で打ち出すことを進めました。

RPGは日本でもっとも人気のジャンルですので、潜在ユーザーの注目を集め、さらに「自分で強くなれる」という分かりやすい且つポジティブな表現を取り入れました。

 

ちなみに日本ユーザーの特徴についていかがですか。

コアユーザーの割合は、ほかの国と比べて高いですね。

ちなみに、日本でイラストコンテストを開催した際には、たくさんの作品がユーザーから寄せられたほか、イラストのクオリティの高さにも驚きました。アートデザイン部門も絶賛していました(笑)。また、ストーリーやキャラクター設定にも関心が高いですね。

 

「気軽に楽しめる」ようなゲーム仕様

ここからはゲーム内についてお聞きしていきます。

本作には「共鳴クリスタル」というシステムを採用しています。これは専用の枠にキャラクターをセットすることで、その枠から外すまでの間だけ、編成メンバーのもっともレベルが低いキャラクターと同じ数値がアップする仕様です。

共鳴クリスタル:解説

共鳴クリスタルは、まず赤枠に自分が所持しているキャラのうち、レベルの高いものから順に5体が自動的に選ばれる。次に、青枠にレベルを上げたいキャラをセット。

すると、青枠にセットしたキャラのレベルが、赤枠にいる5体のうち、もっともレベルが低いキャラと同じ数値までアップする(この場合は中央にいるキャラの”61”になる)。

ただし青枠にセットしたキャラは枠から外すまで通常のレベルアップはできない。また枠から外すとレベルは元に戻り、その枠は24時間が経過するまで使用できなくなる。

 

「共鳴クリスタル」は攻略のために一時的に使いたいキャラクターはいるが、イチから育成するのは面倒、素材が足りないなどの場合に効果を発揮すると思われますが、採用した背景もこれらが理由でしょうか。

その通りです。本作のバトルは、5人パーティとなります。おそらく多くのユーザーが、まずは5人のキャラクターを集中的に育成するでしょう。レアリティが高かったり、ビジュアルが気に入ったり、いろいろな理由があると思いますが、手に入れたキャラクターを満遍なく育成するのはなかなか骨の折れる遊び方だと思います。

ここで共鳴クリスタルを利用することで、急遽使わなければいけないキャラクターを、いちから育成する手間を省いて、現在育成中の5人のキャラクターと同じレベルまで上げることができるのです。また、ガチャなどで新しいキャラクターを手に入れたとき、すぐに実践(バトル)で試すことなどのメリットもあります。

 

『AFKアリーナ』の運営思想には、「とりあえずいろいろなものを気軽に挑戦できる」というものがあるのではないでしょうか。たとえば、コラボキャラクター(ボイドビジター※)のレンタル(駐在傭兵 ※)を採用しているのも珍しいケースです。

※ボイドビジター:主にコラボキャラが属する特殊な勢力。通常の方法ではランクアップできず、自分が持っているキャラの中から、任意で選んだキャラと「ソウルリンク」することで、同じランクとレベルに引き上げられる。一番強いキャラとソウルリンクするのがセオリーだが、リンク中のキャラと同時に出撃できないという欠点がある。

▲リリースしたばかりのときに実施した『サムライスピリッツ』コラボ。対象のコラボキャラ(ボイドビジター)は、基本的にガチャではなく購入することで手に入る。なお、当時は7日間の無料お試し期間を設けており、気軽にコラボキャラを使用できた。

※駐在傭兵:対象のボイドキャラクターをフレンドまたはギルドメンバーからレンタルできる機能。1度レンタルすると30日間使用でき、出場制限がなくさまざまな場所で利用できる。なお、「虚空の石」という特定のアイテムが必要。

ええ。特定のアイテムを用いれば、購入しなくともコラボキャラクターを使用(レンタル)できます。

ゲーム内のキャラクター数も多いため、ユーザーがすべてを手に入れて、課金して、育成するのは難しいと思います。「手に入れないと試せない」という制限を設けてしまうと、金銭的にもユーザーは疲弊しますし、フラストレーションも溜まる一方です。なので、「気に入ったら購入してみてください」という気兼ねなく楽しめるようにしています。

 

コラボ先について比較的ゲームIPが多い印象ですが、いかがでしょう。

いえ、特別ゲームIPを意識しているということはありません。今後はアニメや漫画とのコラボも増やしていこうと思っています。

ゲームIPとコラボしてきた背景には、『AFKアリーナ』にはコアユーザーが集まることを想定し、著名なゲームタイトルのキャラクターが登場したほうが喜んで遊んでくれるのではないか、という発想から採用していきました。

▲これまでコラボでは『サムライスピリッツ』をはじめ、『アサシンクリード』『ペルソナ5』『プリンス・オブ・ペルシャ』などのゲームIPで実施。このほかアニメ(ライトノベル作品)『オーバーロード』でもコラボを実施していた。

 

ちなみにコラボ施策はグローバル共通でしょうか。

はい、共通です。

 

分かりました。そのほかゲーム内の細かい要素ですが、ガチャにウィッシュリストという機能がありますよね。指定した該当キャラクターの排出確率を上げられるという、“セルフピックアップガチャ”のような機能です。

ええ、あります。

 

自らキャラクターを選んで排出確率を上げるのも珍しい取り組みかと思います。というのも、すぐにお目当てのキャラクターをユーザーが手に入れたら、マネタイズやゲームバランスを含めて崩れるため、さまざまな葛藤があったのではないでしょうか。

実装した背景には、やはりキャラクターの多さが起因しています。リリース当初のキャラクター数は30~40体ほどでしたが、今では100体以上にも及んでいます。ユーザーが目当てのキャラクターの入手に難航しているというフィードバックを受けたので、今回のウィッシュリストというシステムを採用しました。

運営都合で確率アップを設定するのではなく、あくまでもユーザーが手に入れたいキャラクターを自分で設定し、手に入れやすいようにしています。

▲ウィッシュリスト画面。

ガチャのピックアップ対象をユーザー自身で選択できるという珍しい機能。本作はキャラのランクアップ(重ね)を行うことが肝要であるため、この機能が役に立つ。

国内でもキャラ重ねによる強化を採用しているタイトルは多いが、ユーザーの視点から見た場合には、ランダム性の強いガチャとは相性が良いとは言い難い。そのため、このような「自分の欲しいキャラをピックアップできる」機能は重宝されるのかもしれない。

 

Lilith Gamesの企業文化は「简单真诚」

Lilith Gamesのタイトルは、日本で『ライキン』と『AFKアリーナ』と立て続けでヒットしています。世界的にも注目を集めている企業ですが、ここまでグローバルで良質なゲームを作れる組織体制や思想(社是)はどういうところにあると考えていますか。

陈さんは、新卒入社から7年ものあいだLilith Gamesで勤務されていると思いますので、なにか御社ならではの開発力について教えてください。

7年間勤めて感じた個人的な見解としては、Lilith Gamesではチームワークを大切にしていることが挙げられます。先ほども申し上げたように、『AFKアリーナ』は『ソウルクラッシュ』の開発チームがそのままスライドして担当しているので、開発中はとてもチームワークの良さが印象に残っています。

おそらくほかの会社では、開発チームは開発だけ担当、マーケティングチームはマーケティングだけ担当するというのが一般的ではないでしょうか。

 

そうですね。そういう感じです。

各担当部門(チーム)内で意見を出すと思いますが、弊社ではプロジェクト単位で意見を言いやすい環境を整えています。開発もマーケチームに意見しますし、その逆も頻繁に起こっています。ひとりのユーザーとして試遊版を体験して「ここが良かった・悪かった」という意見を、チームを横断して積極的にフィードバックするのが、品質やクオリティの高いゲームを作ることができている我々の強みかもしれません。

あと、Lilith Gamesの企業文化には「简单真诚(シンプルかつ誠実)」というものがあります。

 

シンプル・誠実、ですか。

ええ。そのままの意味で、ゲーム内容もシンプルですし、チーム内も誠実な交流を大切にしています。

 

ありがとうございます。日本では先日1周年を迎えました。陈さんは本家(中国版)をご担当されていると思いますが、『AFKアリーナ』の今後の展開についてお聞かせください。

まずUGC(User Generated Content – 一般ユーザーによって作れられたコンテンツ)の流れを増やしていきたいです。ユーザー自らがプレイ動画を投稿したり、イラストを投稿したりと、『AFKアリーナ』の世界観を拡張させる取り組みにつながればと思っています。

また、新しい遊び方をいろいろ試している段階です。まだ詳細は申し上げられませんが、クオリティの高いコンテンツになるかと思いますので、日本のユーザーのみなさんもぜひご期待ください。そのほか、現段階で予定しているのはコミュニティのオンライン化です。

 

それは運営とユーザーとの交流に関するものでしょうか。

どちらかというと、ユーザー同士のコミュニケーションです。現在ゲーム内では、フレンド機能としてほかのユーザーのキャラクターを借りることができますが、こういうソーシャル機能を今後増やしていければと模索しています。たとえば、自分のキャラクターで友人のチームを助けに行くなど。

ただ、日本に関してはその実装は慎重を期するものだと思います。

 

なるほど。日本はソーシャル性というより、個人で黙々と楽しみたいユーザーも一定数いますよね。むしろ『AFKアリーナ』はそのソーシャル性の少なさが理由で、国内のユーザーから受け入れられた背景もありそうです。

お国柄でユーザーの特性が異なり、コンテンツの内容にも変化が生じるのはなかなか心苦しいところですね。

そうですね。中国では、率先してコミュニティやチームを作って、競争したり、協力したりして楽しんでいます。

Lilith Gamesとしては、まずはすべてのユーザーを満足させるために、それぞれの趣味趣向に合わせた提案をできることが最善だと思います。なので、ソーシャル性のコンテンツを強化していくのは、一方のユーザーでは快く思いますが、もう一方のユーザーには抵抗感があるでしょう。

各国でカルチャライズするなど、その方向性はまだまだ模索中ですが、すべてのユーザーに満足いただけるような体験をこれからも提供し続けたいと思います。

本日はありがとうございました。

 

取材・企画・執筆:原孝則
編集協力:森口拓海
取材協力:株式会社スパイスマート

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原 孝則 (Takanori Hara)
PIckUPs! 編集長。出版社で雑誌とWebメディアの編集を経験した後、大手ゲーム会社で多数のマーケティングプロジェクトに携わる。2015年にSocial Game Infoの副編集長に就任。2017年に起業し、独自のニュースサイト「PickUPs!」を立ち上げ、現職。

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