『ドラゴンネスト2:エボリューション』が目指した“原点回帰” 開発状況とマーケティング戦略をLevel Infiniteに訊く

 韓国のデベロッパーEyedentity Gamesが開発し、2010年から日本でもサービス開始されたPC向けMORPG『ドラゴンネスト(現:ドラゴンネストR)』。デフォルメ調のキャラクターや爽快感のあるコンボ、豊富なギミックのダンジョンなどが特徴的な同作は、国内でも多くの注目を集め、運営元を変えながらも現在までサービスが続けられている。

 2010年代前半にPCゲームに触れていたユーザーであれば、誰もが知るといっても過言ではない知名度を誇った同シリーズ。現在、その続編となる『ドラゴンネスト2:エボリューション(以下、ドラネス2)』がプラットフォームをモバイルに移してグローバルリリースに向け開発が進められている。

 今回はグローバルリリースを目指す『ドラネス2』の企画の立ち上がりから、オリジナルからどのような進化を遂げているのか、本作のパブリッシングを担うLevel Infiniteのマーケティング担当者に話を聞いた。

企画・取材:原孝則
執筆・取材:富士脇水面

 

国内でもヒットした老舗MORPGの続編

本作は、日本でも注目を集めた『ドラゴンネスト』の続編ですが、Level Infiniteでは主にパブリッシングをご担当されているとお聞きしました。

はい。弊社ではグローバルリリースに向けて、各国のパブリッシングやマーケティングを担当しており、私は日本向けのマーケティング担当になります。

シリーズ開発のEyedentity Gamesはどのように関わっているのでしょうか。

『ドラネス2』は中国・上海のゲーム会社・盛趣遊戯(シャンチュウゲームズ)が開発しており、Eyedentity Gamesさんは主に監修やダンジョンの設計などで参加しています。

すでに『ドラネス2』は2020年に中国でリリースされていますが、現地の反響はいかがでしたか。

リリース当時は、人気過ぎてサーバに入れないほどの大盛況でした。現在はユーザー数も落ち着きを見せていますが、改めて中国における『ドラゴンネスト』ファンの熱量の高さを感じました。

実は『ドラネス2』を開発した盛趣遊戯のメンバーは、もともと初期のPC版(ドラゴンネスト)を熱心にプレイしていたユーザーたちが中心となります。当然、Eyedentity Gamesさんの監修は入っていますが、いちユーザーとしての視点や魅力の引き出し方がゲームにも反映されています。

そういう意味では、開発会社は違えど『ドラゴンネスト』に対する熱意や愛情も十二分に込められていると思います。

【ドラゴンネストとは】韓国のEyedentity Gamesが開発したPC向けMORPG。アニメCG風の3Dグラフィックスを採用しており、TPSタイプのアクション要素が特徴となる。日本では、2010年よりハンゲームを展開するNHN hangame(当時)が運営していた(現在はcocone vが運営)。TVCMや積極的なアーティストコラボ、オフラインイベントの施策で知名度を向上。現在は『ドラゴンネストR』としてリニューアルし、10年以上続くMORPGのひとつとなった。

モバイル向けMMORPG(MORPG含む)は、今や人気ゲームジャンルのひとつです。数年前から海外発のモバイル向けMMMORPGが国内でも注目を集めていますが、本作の訴求ポイントはどういうところにあるのでしょうか。他社のモバイル向けMMORPGとの差別化を教えてください。

やはり『ドラゴンネスト』から引き継いだ可愛らしいキャラクターデザインですね。PC版(初代)の頃から国内でもキャラクターのビジュアルは評価が高かったです。また、本作でも過去作のキャラクターが登場するので、シリーズファンには懐かしさや驚きを訴求できるのではないかと思います。

そしてジャンルも変わりました。PC版では、ロビーでメンバーを募り、数名で組んだパーティーで攻略するという、いわゆるMORPGに該当していました。『ドラネス2』ではモバイルMMORPGとして、大規模サーバで多くのユーザーと一緒にゲームを楽しむことができます。

そのほか、親しみやすさと冒険感のあるストーリーに加え、探索する面白さを追求したステージデザイン、ユーザーのレベルに応じたダンジョンやギルド戦など、膨大な数のゲーム内コンテンツも収録しています。シリーズファンの方はもちろん、新規のライトユーザーでも楽しめるタイトルに仕上がっています。

※画面は開発中のものです。
※画面は開発中のものです。
※画面は開発中のものです。
※画面は開発中のものです。
※画面は開発中のものです。

 

リリースは日本を含めて全世界同時でしょうか。

各国の状況により多少のずれはありますが、主に日本、香港、台湾、韓国、東南アジア圏を想定しています。

ローカライズのほか、イラストやゲーム仕様を変更するなどのカルチャライズはいかがでしょうか。

ローカライズでは、丁寧かつ読みやすくなるよう最大限の注意を払って制作に臨んでいます。特に海外発のゲームに関しては、文章に違和感を覚えたら没入感を削がれる原因にもなります。ローカライズは外部の翻訳会社に依頼しただけではなく、社内の翻訳チームでもダブルチェックを徹底し、調整させていただきました。

カルチャライズに関しては、ゲーム本編はほぼ変わりませんが、日本向けのイベントやキャンペーンなどを検討しています。たとえば、日本ユーザーに向けた特別衣装やコラボなど。

そのほか、まだ未公開ではありますが、キャラクターボイスも豪華声優陣を起用しました。声優ファンの方にも楽しんでもらえるかと思いますので、ぜひ発表を心待ちにしてください。

 

目指したのは“原点回帰” シリーズファンと新規にも訴求

『ドラゴンネスト』IPは、現在さまざまな動きがあります。初代にあたるPC版『ドラゴンネストR』は現在もサービス中ですし、他社では本作と同じくモバイル向けMMORPGの『ワールドオブドラゴンネスト』を東南アジアでリリースしました。そんななか本作は「2」のナンバリングを冠しています。これはEyedentity Games側としても“正統続編である”という見解があるのでしょうか。

仰るとおりです。本作は「ドラゴンネスト」シリーズの第2世代として、オリジナルの要素を引き継いで“原点回帰”を目指して開発されました。

ストーリーや世界観の踏襲はもとより、歴代の人気キャラクターの再登場からもその様相がうかがえるかと思います。当然、新規性のあるコンテンツも備えていますが、往年のMMORPGの魅力も同時に体験できます。

▲PC版『ドラゴンネストR』10周年を記念した特別ムービー ジェレイントの想い

 

一方で『ドラゴンネスト』が国内でサービス開始されてから10年以上が経過しています。全盛期と比べるとシリーズを知るユーザーが減少し、市場自体も大きく変化しています。『ドラネス2』ではどのようなユーザー層をターゲットに据えているのでしょうか。

ターゲットユーザーはシリーズファンのみならず、比較的年齢が若いRPGファンに対しても打ち出していきたいと思います。

たしかに『ドラゴンネスト』は10年以上前にブームとなったゲームで、加えて市場規模も現在はPCよりスマートフォンがメインになっています。ですが、本シリーズにはまだまだ大きなポテンシャルを秘めており、魅力的なビジュアルは時代やプラットフォームは違えど通用するものだと考えています。

ちなみにPCなどでのリリース予定はありますか。

現時点ではiOSとAndroidのみに対応する予定で、PCでのリリースの可能性については今のところお答えできません。

マネタイズに関してはガチャが中心ですか。

はい。ゲーム内通貨の課金とガチャになります。ガチャの内容は、主に装備品やペット、キャラクターの衣装などが中心です。

わかりました。昨今のモバイルゲーム市場についてのご意見もお聞かせください。現在、国内外問わず新規のゲームタイトルがヒットしづらいレッドオーシャン化が指摘されていますが、現在のモバイルゲーム市場をどのように見ているのでしょうか。

日本に限らず世界でも新規参入が厳しい状況になりつつあります。飽和市場ではありますが、それでも毎年エポックメイキングなタイトルは現れていると思います。

私も業界歴は10年以上に及ぶのですが、以前は開発会社のデザイナーでした。市場は平行線を辿っているようにも見えますが、詳細に分析するとビジュアルのトレンドやゲーム仕様・ジャンルなどの移り変わりも激しいです。

ユーザー間によるコミュニティも強固となり、まだまだヒット作が生まれる土壌はあるのではないかと思います。あとは、そうですね……運ですね(苦笑)。

わかります(苦笑)。開発者としてデザイナーの経験もあるとのことですが、日本ユーザーの特徴についてどのように考えていますか。

私個人の感覚ですが、まず幅広い年齢層にリーチできるのがあります。あと、海外タイトルに対する偏見なども昔と比較して無くなったようにも思えます。

たとえば、ローカライズがそこそこでもゲームの内容(ビジュアル)やコミュニティ性があれば、継続的に遊んでもらえるような。往々にして海外タイトルは各国好みなイラストと整えられた文章が重要視されていると考えていましたが、一概には言えない例もちらほらと出てきている印象です。

もちろん、本作では遊びやすさを重視してローカライズ、カルチャライズに力を入れていますので、ゲームプレイに集中して楽しめます。また、原点回帰に根ざした『ドラネス2』は、ゲーム内のコミュニティの魅力を再認識できるかと思います。

※画面は開発中のものです。
※画面は開発中のものです。
※画面は開発中のものです。
※画面は開発中のものです。
※画面は開発中のものです。

 

それでは、最後にリリースまでの展開についてお教えください。

リリース時期は未定ですが、9月末からは東南アジアでクローズドβテストを予定しています。その反響を受けて改修を施し、具体的なリリース時期を調整していきたいと思います。もうしばらくお待ちいただければと思います。

ありがとうございました。

企画・取材:原孝則
執筆・取材:富士脇水面

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富士脇 水面(Minamo Fujiwaki)
富士脇 水面(Minamo Fujiwaki)
プラットフォーム問わず、FPSやRPGなど多種多様なジャンルをプレイする雑食ゲーマー。人生を変えたゲームの魅力を伝えるため、WEBメディアを中心に活動中。

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