「いちから」から「ANYCOLOR」へ。企画やイベントで振り返る2021年のにじさんじ

 ANYCOLOR株式会社(旧いちから株式会社)による、バーチャルライバー(バーチャルYouTuber)グループ・にじさんじ。ANYCOLORは日本での活動をする「にじさんじ」のほか、海外を活動拠点とする「VirtuaReal Project」、「NIJISANJI ID」、「NIJISANJI EN」など、さまざまなグループを運営している。

 他のバーチャルYouTuber事務所と比べて特筆すべき点は、やはり所属するバーチャルライバーたちの人数だろう。日本のメンバーだけでも109人以上、海外メンバーを含めるとかなりの数になり、これを生かして大人数でのコラボや大会を開いているほか、多種多様なリスナー層へのアプローチを行っている。

 

 

 そんなにじさんじは2021年、新たなライバーのデビューや大会の開催、グループ全体による大規模イベントや最新技術を投入したライブに加え、運営会社の社名変更など、新たな試みへとチャレンジした年にもなった。本記事では、全体的なイベントやライブなどからにじさんじ全体の2021年を振り返っていく。また、ANYCOLORが運営する他事業についても記載する。

 

1月【トピックス】

・年越し番組『年またぎにじさんじ! 2020-2021 ~島﨑信長とレバガチャダイパン!?SP~』放送
・ライブイベント《Heaven girl’s & Virtual Baiser》が開催
・にじさんじ×マーダーミステリー『消えた緑仙の謎』が販売開始
・Yostar協賛による「新春!にじさんじ麻雀杯2021」が開催

 TOKYO MXにて地上波で放送された『年またぎにじさんじ! 2020-2021 ~島﨑信長とレバガチャダイパン!?SP~』にて、にじさんじの2021年がスタート。

 にじさんじといえば、多人数を生かした大会をよく開催しているが、その先駆けとして、Yostar協賛による麻雀ゲーム『雀魂 -じゃんたま-』を使用した大会「新春!にじさんじ麻雀杯2021」を開催。1月3日に組み合わせ抽選会、1月9日に予選開始と、かなり早いスパンで大会を実施した。

  

2月【トピックス】

・《にじさんじ Anniversary Festival 2021》が開催
・にじさんじ・海外VTuberグループによる合同企画『#NIJINYANJI』が公開
・3周年記念プロジェクト「PALETTE」より、楽曲の配信がスタート
・ライブイベント《Kaede Higuchi Live 2021 “AIM”》が開催
・テニスゲーム『白猫テニス』とのゲーム内コラボが実施
・アイドルグループ「SLEE」のお披露目ソロライブ《SLEE First Live 2021》が実施
・神田笑一氏による、3Dお披露目配信実施

 2月にあった大きな出来事としては、やはり3周年を記念した大型イベント《にじさんじ Anniversary Festival 2021》だろう。

 本来、実際にさまざまなブースの展示があったのだが、コロナ禍による情勢を鑑みてオンライン開催に変更された。しかし、多くのメンバーが自身の特性を生かした配信を披露。

 3Dの初お披露目となるメンバーも多く出演、昨年情勢によって開催できなかった《にじさんじ JAPAN TOUR 2020 Shout in the Rainbow!東京リベンジ公演》も行われ、かなり大きな反響を呼んだ。

 

3月【トピックス】

・オリジナル脚本によるボイスドラマCDが2種同時リリース。以降、第2弾も販売
・Rain Drops アコースティックライブ《開花宣言》が開催
・新番組『たすけて!#ガッキュー裁判』が放送開始
・えま★おうがすと氏、夕陽リリ氏、モイラ氏による3Dお披露目配信実施
・VirtuaReal十二期生として、3名のライバーがデビュー

・御伽原江良氏、にじさんじを卒業

 3月には、人気ライバーであった御伽原江良氏の卒業が発表されたことが、大きく話題に上がった。ユニットでのライブをはじめ多方面で活動していただけに、衝撃が大きいニュースとなった。

 また、ライバーたちが声優として参加するボイスドラマの発売や、ユニット「Rain Drops」によるアコースティックライブの実施、リアル地方をバーチャルをリンクさせたライブイベント《VIRTUAL JAPAN CIRCUIT》のチケット販売など、初の試みを複数実施している。

 

4月【トピックス】

・アイドルグループ「SLEE」事業のMBOによる独立
・3D短編アニメ『ちょこさんじ』が配信開始
・文野環氏、相羽ういは氏による3Dお披露目配信実施
・NIJISANJI KR5期生として、3名のライバーがデビュー

・ライブイベント《『VIRTUAL JAPAN CIRCUIT NAGOYA』》が開催

 4月には、いちから株式会社の(実在する)アイドルグループ事業として活動していた「SLEE」が新会社yokazeに譲渡・独立。CEOには運営の中心メンバーとして活動し、ファンからの認知度も高かった岩永太貴氏が務めることに。これに伴い、岩永氏はいちから株式会社を離れることとなった。

▲左から株式会社yokaze代表取締役の岩永太貴氏、いちから代表取締役の田角陸氏

 

5月【トピックス】

・いちから株式会社から「ANYCOLOR株式会社」へ社名を変更
・Yostar協賛による「にじさんじ麻雀杯 花鳥風月戦」が開催
・「ばかうけ」とのコラボレーション企画商品が販売
・にじさんじ × エモクロアTRPG『夢見の妖精』が販売開始
・ラトナ・プティ氏、愛園愛美氏、天宮こころ氏による3Dお披露目配信実施
・英語を用いて活動するNIJISANJI ENの第1弾「LazuLight」として3名のライバーがデビュー
・VirtuaReal十三期生として、3名のライバーがデビュー

 5月には、会社名を「いちから株式会社」から「ANYCOLOR株式会社」へと変更された。変更についての経緯や詳細は、CEOである田角陸氏のnoteにて見ることができる。

 また、英語を中心に使用し、活動する「NIJISANJI EN」の第1弾メンバーがデビュー。それに合わせて、デビュー楽曲「Diamond City Lights」の配信も行われ、海外を中心にさらなるリスナー層へのアプローチをうかがわせる。

 

6月【トピックス】

・タレント育成プロジェクト「バーチャル・タレント・アカデミー」開講決定。第1期候補生募集開始
・《VIRTUAL JAPAN CIRCUIT HIROSHIMA公演》が開催
・集英社とのコラボ企画キャンペーンを開催
・『パワプロアプリ』とのゲーム内コラボが実施
・『白夜極光』との大型コラボを実施
・BilibiliWorld 2021 上海へ出展
・不破湊氏、白雪巴氏による3Dお披露目配信実施
・NIJISANJI ENの第2弾「OBSYDIA」として、3名のライバーがデビュー

・鈴原るる氏、にじさんじを卒業

 6月に話題となったのは、バーチャルライバー(VTuber)として活躍するための、新たなタレント育成プロジェクト「バーチャル・タレント・アカデミー」だろう。

 配信者としての育成するため、必要なスキルの教授や活動機会の提供などを行うというもので、かなり話題を呼んだ試みだった。本稿執筆時点でもその活動の一環として、専用のYouTubeチャンネルにおいて研修中の生徒の様子を確認できる。

 また、所属ライバーのなかでもトップクラスの人気を誇っていた鈴原るる氏が、6月いっぱいでにじさんじを卒業。配信以外にもラジオをはじめさまざまな媒体で活躍していたことから、引退を惜しむ声が多数上がっていた。

 

7月【トピックス】

・にじさんじより、新たに5名のライバーがデビュー
・《にじさんじ AR STAGE “LIGHT UP TONES”》が開催
・サミー(sammy)ネットワークス協力による「にじさんじバーチャルパチンコ大会」が開催
・《にじさんじのB級バラエティ(仮)後悔収録 in LOFT ~この番組いつも編集した上で見て貰ってるから収録風景見ても面白いかはわからないけど雰囲気は伝わるだろうからマジでザックリ気楽に見てってSP~》が開催
・サンリオキャラクターズコラボが実施。各グッズを販売
・イブラヒム氏、ましろ氏、レヴィ・エリファ氏、町田ちま氏による3Dお披露目配信実施
・VirtuaReal十四期生として、5名のライバーがデビュー
・NIJISANJI ID第6弾として、3名のライバーがデビュー

 7月にあった大きな出来事はやはり、2021年にて最初の「にじさんじ」ライバー「エデン組」のデビューだろう。男性4人に女性1人という、これまでにあまりなかった組み合わせであり、広告掲載、公式番組のゲストで呼ぶなど、かなり丁寧にデビューから初動までをサポートしていた印象がある。

 また、最新のAR技術を使用したライブ《にじさんじ AR STAGE “LIGHT UP TONES”》を開催。オンライン限定であることを逆に利用したリアリティある映像とスクリーンショットの投稿OKがかみ合い、話題を呼んだ。

 

8月【トピックス】

・『パワプロ2020』公式による「にじさんじ甲子園2021」本戦が開始
・『ポーカーチェイス』タイアップ番組を実施。以降、複数回配信
・《Rain Dropsファーストワンマンライブ『雨天決行』》が開催
・ボードゲーム『あのアレなヤバイにじさんじ』が発売
・赤羽葉子氏、フレン・E・ルスタリオ氏による3Dお披露目配信実施
・NIJISANJI KR6期生として、4名のライバーがデビュー

 8月には、去年から引き続き行われた『eBASEBALLパワフルプロ野球2020(パワプロ2020)』公式による「にじさんじ甲子園2021」の本戦が開始。担当ライバーの各配信にてライバーの名を付けたキャラクターを育成、チームを作成し戦うというもので、海外ライバーの参加に加え、白熱の接戦や先の読めない試合展開によって非常に大きな盛り上がりを見せた。

 

9月【トピックス】

・葛葉氏のYouTubeチャンネル登録者数100万人突破
・3Dイベント《『NIJISANJI SHOW DOWN』》が開催
・謎解きイベント《名探偵シェリン&三枝 最初の事件〜いなくなった文野環をさがせ!〜》が開催
・ライブイベント《Rin Shizuka Solo Event “Recollection”》が開催
・「ウェンディーズ・ファーストキッチン」とのコラボを実施
・次世代ゲーム配信プラットフォーム『fingger』の出展に配信で登場
・メリッサ・キンレンカ氏、魔使マオ氏による3Dお披露目配信実施
・NIJISANJI ID、プロジェクトローンチ2周年記念イベント『Virtual Summit』開催
・VirtuaReal十五期生として、4名のライバーがデビュー

 9月には、葛葉氏がにじさんじ及び男性VTuberとしても初となるチャンネル登録者100万人を突破。

 さらに、ふたつのにじさんじ公式番組による合同イベント《『NIJISANJI SHOW DOWN』》や、静凛氏によるイベント《Rin Shizuka Solo Event “Recollection”》、新たなものとして謎解きイベント《名探偵シェリン&三枝 最初の事件〜いなくなった文野環をさがせ!〜》を実施するという、イベント尽くしの月となった。

 

10月【トピックス】

・ライブイベント《NIJIROCK NEXT BEAT》が開催
・ライブイベント《initial step in NIJISANJI》が開催
・東急ハンズ渋谷店でのコラボ企画が実施
・シヤチハタとのコラボが実施。以降、2回目も実施される
・加賀美ハヤト氏、剣持刀也氏、不破湊氏、甲斐田晴氏によるユニット「ROF-MAO」が始動
・奈羅花氏による3Dお披露目配信実施
・NIJISANJI ENの第3弾「Ethyria」として4名のライバーがデビュー

 10月でもイベントは続き、《NIJIROCK NEXT BEAT》と《initial step in NIJISANJI》の連日ライブを開催。前者はロックをメインとしたライブ、後者は元にじさんじ1期生全員によるライブかつ、記念楽曲も披露されるという、幅広いリスナー層へライブの高揚感が届けられた。

 また、新たなユニットである「ROF-MAO」がデビュー。こちらは専用のYouTube・Twitterアカウントの開設や毎週番組動画をアップするなど、かなり気合を入れた活動が行われている。

 

11月【トピックス】

・《月ノ美兎1stワンマンライブ「月ノ美兎は箱の中」》が開催
・ソロイベント《『Kuzuha Birthday Event 「Scarlet Invitation」』》が開催
・『スプラトゥーン』を使用した「第3回にじスプラ大会」が開催
・『ユ―ジュネ』にて天宮こころ氏の生配信が実施
・ルイス・キャミー氏、フミ氏、渋谷ハジメ氏、雪城眞尋氏による3Dお披露目配信実施

・ヌン・ボラ氏、にじさんじを卒業

 11月には、待望のワンマンライブとなる《月ノ美兎1stワンマンライブ「月ノ美兎は箱の中」》と《『Kuzuha Birthday Event 「Scarlet Invitation」』》が開催。それぞれ独特の世界観を展開して観客を魅了する。どちらもにじさんじをけん引する存在だが、リスナー層は全く異なることを考えると、かなりユニークな事務所となっていることが感じられる。

 また、《『Kuzuha Birthday Event 「Scarlet Invitation」』》は、新聞やテレビにも取り上げられた。さらに、韓国グループ「にじさんじKR」に所属し、日本でも人気を博していたヌン・ボラ氏が、11月末に卒業を発表した。

 

12月【トピックス】

・『マリオカート8 デラックス』を使用した「第4回マリカにじさんじ杯」が開催
・『アリーナ・オブ・ヴァラー』との大規模コラボが実施
・チロルチョコとのコラボ商品「にじさんじBOX」を発売
・エリー・コニファー氏、小野町春香氏による3Dお披露目配信実施
・キャラクター・コミュニケーションサービス「ユメノグラフィア」のサービスが終了
・NIJISANJI ENの第4弾「Luxiem」として5名のライバーがデビュー

 12月は、昨年に引き続き『マリオカート8 デラックス』を使用したグループ全体を巻き込んだイベント「第4回マリカにじさんじ杯」が実施される。

 今回は例年通りの個人戦に加え、初の試みとなる団体戦も開催、ライバー、リスナーともに大きな盛り上がりを見せていた。また、公式によるライブイベントはないものの、年末には竜胆尊氏が主催するさまざまなライバーが参加するライブ「NJU歌謡祭2021」が去年に引き続き開催された。

 

まとめ

 ここで記載した事柄以外にも、男性・女性どちらのリスナー層にもアプローチできるようなグッズ展開なども行っている。

 また、同社では全体的に技術面や新方面の開拓など、斬新なことにチャレンジしている様子がうかがえ、男性を中心としたライバーの追加など、ほかの事務所とは違ったリスナー層へのアプローチを試みている。

 2022年も、2021年とはまた違ったエンターテインメントで楽しませてくれることだろう。

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寺村 一也(Kazuya Teramura)
寺村 一也(Kazuya Teramura)
ライター。ゲームに関連した書籍・WEBメディアで記事を執筆する傍ら、ゲーム実況・VTuber文化にも精通。幼少期からゲームを遊ぶ時間に制限があったものの、説明書や攻略本など関連書籍を読み漁りゲームの魅力に触れていく。その経験からプレイ以外の「観て楽しむ」という実況文化を学ぶようになる。

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