配信者と視聴者が一緒に笑える雰囲気づくりが絶妙。個性豊かな3人が織りなすハーモニー「三人称」解説

 今回特集するゲーム実況者チャンネルは、ゲーム実況を中心に、さまざまな方面で活動の幅を広げるグループ「三人称」だ。ドンピシャさん、ぺちゃんこさん、鉄塔さんという3人のメンバーで構成されており、どこかゆるい雰囲気の実況や、非常にバランスの取れた三人の掛け合いなどが人気を博している。

 三人称は、グループ結成から約10年以上、個々での活動ではそれよりも前から実況プレイを行っており、ベテラン実況者と言っても過言ではないだろう。2022年2月現在には、チャンネル登録者数が53.3万人を突破。総再生回数は6億9,000万回以上と、ファンを徐々に獲得しながら、安定した視聴回数を着実に増やしている。

▲左から、ドンピシャさん、ぺちゃんこさん、鉄塔さん

 

ユニークなメンバーたちによる協奏曲…
「三人揃って三人称、どうぞよろしく。」

 実況するゲームタイトルは、元々がFPSを主としたコミュニティから交流が始まったということもあり、全体で見ると『コール オブ デューティ』シリーズや『エーペックスレジェンズ』などのFPSが多い印象だ。

 しかしそれだけではなく、格闘ゲームやシミュレーター、steamの海外製ゲームを中心に、非常に多種多様なゲームを実況している。全体の動画リストを見るだけでも、気になるタイトルがひとつは見つかるだろう。

 また、基本的には顔を出さないスタイルで動画収録・配信を行っているが、顔出しでFPSやボードゲームなどを遊んでいる場合もあり、表情豊かな3人を楽しむことができる。

 ここからは、3人のメンバーを簡単に紹介していこう。

 いつも笑顔で明るく振舞っているのが印象的なドンピシャさんは、グループのボケ担当的な立ち位置。普段はドンさんと呼ばれており、顔芸や天然ボケをかまして共演者や視聴者を楽しませてくれる。彼の豪快でクセのある笑い方を聞けば、ついつられて笑いがこみあげてしまうはずだ。

 そのうえ、ゲームの腕は確かで、プロゲーミングチーム「Crazy Raccoon」が主催するeスポーツ大会にも出場している(大会等の配信は、主にTwitchにて実施)。メンバーのなかで唯一結婚を発表しており、最近では実の兄とも配信も行っていた。

 ぺちゃんこさんは、グループの中の貴重なツッコミ役で、他のメンバーふたりにたびたび振り回されていたりなど、苦労人的なポジションにおさまりがち。ただし、3人ではっちゃけていることもしばしば。

 愛称はぺーさんで、ソロでの配信はあまりせず、稀に行う程度だ。しかし、ゲームのセンスはピカイチで、メンバー同士で始めてプレイするゲームでも、その特性を理解して難なく1位を取ってしまうことも。ちなみに、ドンピシャさんがドラム、ぺちゃんこさんがベースを担当するバンド「koe」としても活動しており、ドンピシャさんとは高校からの長い付き合いである。

 鉄塔さんはメンバーの中で最年長であり、場を回すなど知的な面が目立つ反面、ふざける時にはとことんはじけるのが面白いポイント。グループでの活動はもちろん、ソロでの動画投稿や雑談配信も実施している。

 豊富な知識を生かしたゲーム実況の上手さもさることながら、小説家・エッセイストとして「賽助」という名前で活動することもあるほか、ドラマ『夜光漂流 MIDNIGHT JELLYFISH』に役者として出演したり、和太鼓パフォーマンスチーム・暁天(GYOUTEN)のメンバーとして太鼓の腕を披露したりなど、多彩な才能を発揮している人物だ。

 この3人による絶妙な掛け合いが魅力で、近すぎず遠すぎない、心地よい距離感から来る仲の良さを感じられるのが人気の秘訣なのだろう。

 また、三人称の動画・配信を見るうえで、よく見ることになる人物が「標準」さんだ。

 メンバーたちと仲が良く、4人で遊ぶゲームでは「三人称+標準」というような形で出演することもしばしば。格ゲーマーであるため、ドンピシャさんとふたりで配信することもある。ツッコミとボケどちらにも回れる人物のため、ボケに行くときはとことん突き抜けるなど、配信に参加するだけで、さらにグループとしての実況の面白さが倍増する。

 

自分たちの楽しく遊ぶ姿によって、
視聴者にも笑顔を届ける

 三人称の動画・配信は、話題性を狙って新作タイトルを遊んだり、無理にテンションを高くして盛り上げたりするものが比較的少なく、純粋にゲームを楽しそうに遊んでいる様子や、どこかゆるく感じられる雰囲気を大事にしていることが読み取れる。

 特にそれが顕著に表れているのは、大人気シリーズとなっている、サンドボックスゲーム『Minecraft』の動画だ。

 よくある「MODを入れて遊んでみた」や「凄い建築物を建ててみた」などの話題性を前面に押し出したものではなく、ドンピシャさんと鉄塔さんが、『Minecraft』の世界をただただ冒険していく様子を、カメラ役のぺちゃんこさんが映しているというものである。

 やっていることは普通の『Minecraft』のはずなのに、これがまた面白く、ふたりが気の抜けた雰囲気で喋っていたり、強敵に立ち向かってすぐさまやられてしまったりする様子などが、見ていて飽きがこない。深夜のバラエティ番組を彷彿とさせる、ゆるいフォントと唐突にカットを入れる編集も、動画テンポと面白さを加速させる。

 始動したのは数年前だが、現在でも新たな動画がアップされており、かなりの長寿シリーズとなっている。純粋に楽しんでいる様子が人気の要因となっている『Minecraft』動画は、三人称以外にはなかなか見つけられないだろう。

 他のタイトルでも、とにかく楽しそうにゲームをプレイするのが印象的で、「友達の家で、ゲームを遊んでいる様子を隣で見ている」という感覚が強いように感じられる。配信全体の雰囲気がとてもよく、ゲームを通して一緒に笑えるという、配信者として理想的な仕上がっているといえるのかもしれない。

 

公式配信やCM出演、大会への出場…
活動の幅を広げ続ける3人

 長年実況を続けている実績やトークの上手さも相まって、世界的人気を誇る『コール オブ デューティ』シリーズのトレーラー出演や、PS5体験映像シリーズ「Try! PlayStation 5 on YouTube Gaming Week」への参加など、ゲームメーカー公式の案件も多数受けている。

 もともとFPS実況者として始まった三人称の実況だからこそ、当時投稿していたタイトルの公式案件などを行っている姿を見ると、昔を知っているファンからすれば、感慨深いものがあるのではないだろうか。

 さらに、オリジナルグッズ展開やトークイベントの開催、アニメCMへのゲスト出演、ラジオにパーソナリティとして出演するなど、活動の幅は計り知れない。

 また、チャンネル登録者数300万人以上を誇る「TEAM-2BRO.(兄者弟者)」とは古い付き合いであることからとても仲が良く、よくコラボ動画や配信を行っている。ほかにも、ロックバンド・サカナクションの山口一郎さんをはじめ、さまざまな著名人との交友関係も明かされており、徐々に知名度を上げていることがうかがえる。

 2021年からは、プロゲーミングチーム「Crazy Raccoon」が主催する国内最大級のeスポーツ大会、通称「CRカップ」へのドンピシャさんの出場など、競技シーンへの参加も増えている。昨今の配信文化の今後の広まりに合わせて順応しており、さすが熟練の配信者といった立ち回りも見せている。

 

まとめ

 自身たちが全力でゲームを楽しんでいる様子を届けつつ、視聴者が楽しいと思える雰囲気づくりを忘れず、「見続けたい」と思わせる動画・配信を作り続けている三人称。他の配信者では絶対に味わうことのできない、唯一無二の雰囲気を味わえる実況が楽しめるので、気になった人は是非視聴してみて、ファンのひとりになってみてほしい。

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寺村 一也(Kazuya Teramura)
寺村 一也(Kazuya Teramura)
ライター。ゲームに関連した書籍・WEBメディアで記事を執筆する傍ら、ゲーム実況・VTuber文化にも精通。幼少期からゲームを遊ぶ時間に制限があったものの、説明書や攻略本など関連書籍を読み漁りゲームの魅力に触れていく。その経験からプレイ以外の「観て楽しむ」という実況文化を学ぶようになる。

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