
VTuber事務所「にじさんじ」を運営するANYCOLORと「ホロライブ」のカバーは、両社の所属ライバー/所属タレントに対する誹謗中傷行為等の根絶に向け、今後の各種対策を連携して行っていくことを発表した。連携体制の構築に際して、共同声明文を公開している。
両社は声明の中で、一部のユーザーによる「所属するライバー/タレントの名誉又は信用を徒に貶め、VTuber活動を不当に妨害する意図をもった誹謗中傷行為等が存在する」と指摘。
両社は具体的な言及を避けている物の、直近では、にじさんじ所属ライバー「アクシア・クローネ」が2022年11月30日をもって卒業。ホロライブにおいては12月5日、所属タレント「ラプラス・ダークネス」が精神的不調による休止を発表している。
「アクシア・クローネ」に関しては、卒業を発表する直前の8月頃に活動休止を発表していた。 この際の公式発表では「2022年春頃より、SNS等においてアクシア・クローネに対する誹謗中傷、悪意に基づく虚偽の情報の流布、アクシア・クローネに関わった他の弊社所属ライバーに対する誹謗中傷や危害予告がなされ、これが悪化・継続しておりました。」と説明。あわせて、顧問法律事務所及び警察と連携した対応を明言していた。
ほかにも、ANYCOLORは2020年9月から「攻撃的行為及び誹謗中傷行為対策チーム」を設置しており、その後12か月間で約90件の侵害行為に対応したことを報告している。
カバーも業界の健全な発展、および所属タレントを保護することを目的に、業界団体との連携を発表し、通報フォーラムなどを設け、悪質な行為に対して法的措置の活動を実施してきた。
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そして、上記を含め両社はライバー/タレントを守るための取り組みとして、かねてより啓蒙活動や各種対策を毅然として講じてきたものの、今後はさらに進んだ対策を共同で行うことを決定。インフラを構築することにより、誹謗中傷行為等の根絶を目指す。
具体的には、所属ライバー/タレントに対する名誉毀損行為、プライバシー権の侵害行為、「荒らし」行為等の営業権の侵害行為、殺害予告・ストーカー行為等の攻撃的行為に対して、その対策の実行にあたってのノウハウの共有、(両社の所属ライバー/所属タレントを被害者とする事案に関する)法的措置を含めた各種対策の連携、警察諸機関と両社との連携体制の構築等を行う。
両社はすでに、2022年10月から同年11月にかけて一部のいわゆる「まとめサイト」運営者に連携して働きかけ、「今後両社及び所属ライバー/タレントへの権利侵害及び誹謗中傷等の助長行為を一切行ってはならない旨の一定の条件を付す形で、示談書の締結に至っている」とのこと。