本連載「週刊ゲーム動画トレンド」では、LIVEOPSISを活用し、ゲーム公式運営チャンネルの動向やゲーム実況者の動画内容を定点観測し、最新のゲーム動画のトレンドをまとめていく。今回は、2022年3月7日(月)~3月13日(日) の期間について掲載。
【公式ch動画トレンドの週間ランキング】
ヘブバンの公式動画がランクイン
※:本ランキングではモバイルゲームの公式動画を抜粋(視聴回数はツール上の表記に準拠)
ランキングでは、モバイル向けMMORPG『Lineage W』の動画「[天堂W] 1st 序曲預告片 : 亞丁」が1位を獲得した。同動画は、2022年2月23日に実装された最新アップデート「1stエピソード:アデン」に関するトレーラーの中国語版。
最新アップデートでは、新しいワールドやボスが実装されるなど大規模な内容となっている。中国語版トレーラーは、2022年2月23日に投稿されてから現時点(3月15日)まで430万再生を記録。広告展開の有無は分からないが、英語版は視聴回数2,000、日本語版は視聴回数170万であることを考えれば、中国版のトレーラーが圧倒的に視聴されていることがわかる。
なお、中国版のアプリストアのランキング推移を調べたところ、特段急上昇している様子は見られなかった。
そのほか『モンスターストライク』とTVアニメ「鬼滅の刃」第2弾コラボに関する動画が6本ランクイン(ほかのモンスト関連動画も1本ランクイン)。初出し情報となる「モンストニュース」(2位)を皮切りに、コラボキャラ個々を詳細に紹介した「新キャラ使ってみた」動画も人気に。
さて、今回のトピックは「ヘブンバーンズレッド【公式】」の動画がランクインしたこと。本作は、『AIR』や『CLANNAD』などの恋愛アドベンチャーゲームで知られる麻枝准氏(Key所属)が原案・メインシナリオ、音楽プロデュースを手掛ける新作モバイル向けRPG(開発はWFS)。
2022年2月10日のリリース後は、アプリストアのセールス及び無料ダウンロードランキングで首位を獲得し、モバイル向けRPGの大ヒットタイトルまで上り詰めた。
ランクインした関連動画はストーリーイベント「Requiem for the Blue」のプロモーションムービー。2分30秒の該当動画は、ストーリー仕立てで丁寧にイベント内容を伝えており、調査時点で視聴回数は49万回を記録。コメント欄では、イベント開催を楽しみにする1,000件にも及ぶユーザーの声が寄せられていた。
『ヘブンバーンズレッド』の公式YouTubeチャンネルは2021年8月に開設。同年9月の第1弾プロモーションビデオを皮切りに、キャラクター紹介動画などさまざまな動画を投稿してきた。ゲームリリース後は、週1回配信の公式番組「ヘブバン情報局」を中心に展開。
なかでもイベントやメインストーリーの実装タイミングに公開されるプロモーションビデオは毎回話題を呼んでいる。下記のメインストーリー第三章のPVは視聴回数440万回を記録(広告有無は不明)。前述したストーリーイベント同様にエピソードの一端をうかがい知れる内容となり、既存ユーザーのエンゲージメントを高めるものとなっているようだ。
【ゲームアプリ動画トレンド(投稿者)】
考察が捗るヘブバン動画、ホロライブPR案件も話題
今回は『ヘブンバーンズレッド』の動画を投稿しているクリエイターに注目。
リリースから1ヵ月が経過した『ヘブバン』だが、すでにさまざまなユーザー(及び動画クリエイター)が動画を投稿している。動画の内容は主に「攻略」「評価(レビュー)」「考察」の3つが中心。
攻略動画は、効率的なレベル上げ方法をはじめ、キャラクターの強さランキングなど、モバイル向けRPGならではの内容が揃った。一方評価に関する動画は、期待の新作だけにその動向を含めてレビューする(比較的センセーショナルな)内容が目立った。
ユニークなのは「考察」に関する動画の存在だ。数々のゲームシナリオを手掛けてきた麻枝准氏(Key所属)が関わっているだけに、キャラクター同士の関係性や物語の細かい伏線などから今後の物語を予想(考察)するユーザーが後を絶たない。これは考察できるほどの“シナリオの厚み”があるからこそといえよう。
一方で、まだリリースされたばかりのため、『ヘブバン』を中心に動画を投稿する専門クリエイターは少ない。とはいえ『ヘブバン』リリースをきっかけに新チャンネルを開設するケースもあった。
【『ヘブバン』動画を投稿する主なクリエイター】
■ 攻略解説 SiroroCh_TTV(登録者数:8.64万人)
■ ゲーム実況!ガッキーくんyoutube(登録者数:2.6万人)
なお、『ヘブバン』に関するPR動画はリリース後に数多く見られた。なかでもVTuber事務所「ホロライブ」とタイアップした「#ホロライブヘブバンWEEK」が最も大規模な施策だろう。
文字通りホロライブ所属のVTuberたちが『ヘブバン』をプレイする内容。特徴的なのは、2022年2月10日~2月23日までの2週間、毎日ホロライブのメンバーが配信する長期的な施策となっていた。いずれも数万~10万の視聴回数に及び、『ヘブバン』のスタートダッシュに寄与したことが考えられる。
『ヘブバン』及び、ほかのモバイルゲームの投稿動画(トレンドなど)はLIVEOPSISのYouTube機能から確認できる。