アメリカの調査会社Sensor Towerは同社のブログにおいて、2022年8月の世界モバイルゲーム市場における中国パブリッシャーのセールスランキングを公開した。なお、本記事の数字は同社の推計によるものである。
2022年8月、世界のモバイルゲームパブリッシャーの売上トップ100には中国企業が40社含まれ、合計で約20億ドルの消費を生み出し、トップ100の中で38.1%を占めた。この数字には中国におけるサードパーティーのAndroid向けストア(TapTapなど)の売上は含まれていない。
ランキングは引き続き、テンセント、NetEase Games、miHoYoがトップ3を占めている。
8月11日、テンセントのグローバルブランドLevel InfiniteとPerfect World(完美世界)の子会社Hotta Studioが共同で、SFオープンワールドRPG『Tower of Fantasy(幻塔)』を日本含む海外市場で配信開始。リリース直後、米国、日本、韓国、台湾、香港、マカオといった複数地域のダウンロードチャートでトップになり、8月に世界で最も収益が伸びたモバイルゲームとなった。
これにより、テンセントにおけるモバイルからの収益は前年同期比2%増、Perfect Worldの収益は同34%増となり、ランキングは8アップの18位に浮上している。
NetEase は、Blizzard Entertainmentと共同で『ディアブロ イモータル』を7月25日にリリース。その後、8月に前年同期比234%増と好調な収益を上げ、NetEase Gamesのモバイルゲームとして期間中最高となった。これにより、中国App Storeにおけるセールスチャートで3位を獲得している。
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IM30(Long Tech Network)のポストアポカリプスを題材にしたサバイバルシミュレーション『Last Fortress: Underground』(日本未サポート)は、今年4月以降、急速な増収傾向に入っている。8月は前年同期比19%増となり、パブリッシャーとして過去最高の売上を記録している。
Yostar(悠星网络)は『アークナイツ』が日本でリリース2.5周年を迎えたことで18%の増収となり、10位に返り咲いた。
『アーチャー伝説』などで知られるHabbyは、『ダダサバイバー』(原題:Survivor.io)を8月上旬に日本含む海外市場で配信を開始し、TikTok等への広告出稿によって露出を増やしたことで、瞬く間に市場を席巻。8月の世界モバイルゲーム収益成長チャートで8位を獲得した。これによりHabbyは前年同期比159%増の過去最高売上を記録し、パブリッシャーとしては19にランクインしている。
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30位圏外の注目パブリッシャーとしては、AISNO Games (自意网络)は罪悪都市プリズン戦略RPG『無期迷途』(无期迷途)を8月11日に中国で配信開始。リリース後20日間で推定1,100万ドル(約16億円)以上の収益を上げ、App Storeのセールスチャートで16位、中国での伸び率チャートで2位にランクインしている。『無期迷途』について、日本では事前登録の受付を開始している(具体的なリリース時期については未定)。
また、台湾、香港、マカオで繁体字版『ウマ娘 プリティーダービー』のパブリッシングを担当しているKomoe Gameも、売上が前年同期比28.2%増と好調。
中国App Storeでのモバイルゲーム売上では、前述の『ディアブロ イモータル』と『無期迷途』に加え、前年同期比57%増を記録した『クロスファイア』と同21%増の『捕鱼大作战』が好調となった。
2022年8月、中国モバイルゲームの売上高は2019年8月の94%、ダウンロード数が63%にとどまり、コロナ禍前の水準にから後退。Sensor Towerは「節電の継続、人口動態の後退、夏期旅行の再開、世界的な景気後退などの要因が重なり、現地のモバイルゲーム市場の成長を圧迫した」と分析している。