2022年10月、中国モバイルゲーム企業のグローバル収益ランキング Habbyが『ダダサバイバー』のMAU2000万突破で好調

 アメリカの調査会社Sensor Towerは同社のブログにおいて、2022年10月の世界モバイルゲーム市場における中国パブリッシャーのセールスランキングを公開した。なお、本記事の数字は同社の推計によるものである。

 2022年10月、世界のモバイルゲームパブリッシャーの売上トップ100には中国企業が42社含まれ、合計で約18億6,000万ドル(約2,577億円)の消費を生み出し、トップ100の中で38.4%を占めた。この数字には中国におけるサードパーティーのAndroid向けストア(TapTapなど)の売上は含まれていない。

▲中国モバイルゲームパブリッシャーのグローバル収益トップ30

 世界のモバイルゲーム市場は、今年1月に収益のピークを迎えたのち一段落し、10月には1月のピークの83%に相当する水準でやや安定した状態に落ち着いた。地域別では、米国市場が比較的堅調に推移し、10月の売上は1月の 92%に相当。 日本の市場は、対ドルでの急激な円安の影響により、1月度比で68.7%の売上にとどままった。ほか中国市場は1月比で81.4%、韓国市場が88%となっている。

 世界的な景気減速の中でも、一部の中国メーカーは新作の投入や海外市場の開拓により、トレンドに逆行する成長を遂げた。

 LINGXIGAMES(灵犀互娱)は、三国志を題材にしたRPG『オリエントアルカディア』(三国志幻想大陆)の繁体字版を10月上旬に、台湾、香港、マカオ、東南アジア市場でリリース。10月に中国と香港のモバイルゲームのベストセラーチャートで首位にランクインした。 このゲームに牽引され、パブリッシャー収益が前年同期比9%増となり、順位を1つ上げて第6位となった。

 なお日本においては10月、リリースから半周年を迎えている。

 国内外の市場で非常に高い人気と評価を得ているHabbyの『ダダサバイバー』(Survivor!.io)は、8月上旬のサービス開始から2ヶ月弱で全世界の月間アクティブユーザー数が2000万人を突破し、10月は9位まで上昇。主要な市場は、韓国、中国、米国の順となっている。

 Moonton(沐瞳科技)は『モバイル·レジェンド: Bang Bang』の収益拡大や、9月末に欧米で『ONE PUNCH MAN 一撃マジファイト』(One Punch Man – The Strongest -)を正式リリースしたことにより、収益が前年同期比22%増となり、3ランクアップの14位となった。同社は東南アジアのモバイルゲーム市場を席巻する一方で、近年は海外市場の開拓も進る動きが見られる。特に米国市場からの売上比率は、昨年10月の16.8%から今期24.3%に上昇している。

 Nuverse(朝夕光年)は、新作『MARVEL SNAP』を10月18日に配信開始。欧米ではDCG系のモバイルゲームが高い評価を得ていることやマーベルIPの人気もあり、リリース後2週間で米国のモバイルゲームのダウンロードチャートで首位を獲得。モバイルでは全世界で530万ドル(約7億4,000万円)を超える売上を記録した。 パブリッシャー収入は前年同期比43%増で、7ランクアップの22位となった。

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新作カードゲーム『MARVEL SNAP (マーベル・スナップ)』リリース1週間で全世界200万ドルの収益・530万DLの好発進 

 10月中旬には、X.D. Network (心动公司)がIPタイトルのライセンスを受けたハクスラ系ARPG『トーチライト:インフィニティ』をグローバルで配信。このゲームに牽引され、パブリッシャー収益は前年同期比26%増となり、チャート27位に浮上した。

 日本市場においては、YOOZOO Games(游族网络)が10月20日にケモノ娘とポストアポカリプスをテーマにしたRPG『Echocalypse -緋紅の神約-』がリリース。リリース前後ではTVCMやTwitterでのRTキャンペーンなど露出を増やし、同月のセールスランキングで10位を維持する順調なスタートを切った。パブリッシャー売上もそれに伴い伸長し、前年同期比57%増となった。

▲画像はアプリ分析ソリューション「LIVEOPSIS」より

 一方、中国App Storeのセールスチャートでは、中国本土の国慶節に合わせたイベントや、7周年記念イベントの開催により、『王者荣耀』が依然トップに。10月の売上は前年同期比9%増を記録している。

▲中国App Storeにおけるモバイルゲーム売上トップ20

 三國志ベースのストラテジー『率土之濱』は、10月26日に同じく7周年を迎え、同日の収益が過去最高を記録し、月間では前年同期比81%増となり、トップ10に返り咲いた。

 そのほか、『ダダサバイバー』は10月末にハロウィンイベントを開催し、中国App Storeにおいてもトップ10にランクインしている。

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森口 拓海(Takumi Moriguchi)
森口 拓海(Takumi Moriguchi)
雑誌やWEBメディアを中心に記事を執筆。ゲームは雑食で多様なジャンルを好み、業務の延長でアプリ分析も得意。恩のあるゲーム業界に貢献すべく日々情報を発信。

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