物腰柔らかい落ち着いたムードと、激しい歌声、無邪気にはしゃぐギャップが魅力。大人であることを全力で楽しむ社長「加賀美ハヤト」解説

 今回特集するゲーム実況者チャンネルは、バーチャルライバー(バーチャルYouTuber)グループ・にじさんじに所属する「加賀美ハヤト」さん。配信に対して自身の考えをしっかりと持って活動する、物腰柔らかなライバーだ。しかし、ひとたび歌を歌ったり、ゲーム配信を始めるとそのイメージが豹変。いくつものインパクトをリスナーに刻み付ける、生粋のエンターテイナーである。

 加賀美さんは2019年7月3日に、にじさんじ所属ライバーとしてデビュー。玩具会社「加賀美インダストリアル」の代表取締役であり、このことからリスナーや他のメンバーからは“社長”の愛称で呼ばれている。2022年1月現在、チャンネル登録者数は46.3万人を突破、総再生回数は9,200万回越えと、着実にファンの数を増やし続けている。

 

落ち着いた雰囲気を醸し出しながら、
はしゃぐ姿は男児のごとく

 実況するゲームタイトルは、アクションゲームや、リアルでも遊んでいるカードゲームが多め。これまでさまざまタイトルをプレイしてきているが、特に『ダークソウル』シリーズなどを手掛けるフロム・ソフトウェアの作品は、クリアの難度が高いにも関わらず、多数の作品を遊んでいる。

 注目タイトルがリリースされてから、それに合わせて配信するということはあまりなく、自身がプレイしたいものや、リスナーからオススメされたゲームをよく遊んでいる印象だ。

 また、加賀美さんは“変形シーン”や“パイルバンカー”など、ロマンあふれるものに目がない。配信では、明るく物腰柔らかそうな態度で始まったかと思うと、恐竜やロボットといった、男子が憧れるかっこいいものに目を輝かせ、まるで男の子のように全力ではしゃぎ、全力で楽しんでいる。そんな様子を見てるリスナーからは、「かわいい」と評判だ。

 ゲーム実況からは外れてしまうが、加賀美さんを構成する要素として外すことができないのが“音楽”。このジャンルに関してはかなり造詣が深く、オリジナル曲を出したり、専門的な知識を披露したりするタイミングもある。

 さらに、歌唱するとその甘いマスクから出ているとは思えない、圧倒的なデスボイスとパフォーマンスも魅力。ゲーム実況を見てかわいいいと思っていたリスナーは、このギャップで一気に落とされてしまう。

 また、ゲーム画面をまったく使わず、それっぽい画像のみで作成したサムネイルも魅力のひとつ。やたらインパクトが大きく、どんな配信をしているのかとつい覗きたくなってしまうだろう。ちなみに、一部人物の画像などは、有料のものを使っているのだとか。他のライバーなどが作成したサムネイルを使用している場合は、すぐに見分けられてしまうのも面白い。

▲『ポケットモンスター ソード・シールド』のサムネイル。個性豊かなパーティだ。
▲『あつまれどうぶつの森』のサムネイル。加賀美さんがプレイする『あつ森』は、だいたいこんな雰囲気。

 多数のライバーが出演する放送にも定期的に出演しており、誰かのボケにツッコミを入れている姿をよく見る。また、「よくないですか!」「すごくないですか!」といった汎用性の高いセリフをよく使っていたため、雑にモノマネされることもしばしば。

 世代が近い花畑チャイカさんや社築さんとは、特に仲がよい雰囲気を醸し出しており、よく共通の趣味であるカードゲームをプレイしている。また、この3人の間ではどんなネタも通じてしまうために加賀美さんのトークもはじけ始め、『マジック:ザ・ギャザリング』や『遊戯王OCG デュエルモンスターズ』などの、ネタづくしな会話を楽しむことができる。

 また、同期である夜見れなさんや葉加瀬冬雪さんとも定期的にコラボ配信を行っており、仲間であるライバーとの関係を、とても大事にしている様子が見られる。他にも海外ライバーに対して積極的にTwitterで絡んだりなど、さまざまな場所でコミュニケーション能力の高さを発揮。仲の良いライバーがたくさんいるのは、ひとえに彼の人徳によるところが大きいだろう。

▲夜美さんが『バイオハザード7 レジデント イービル』をプレイしているところに、励ましの音声(LV.10000)を送り付ける加賀美さん。

 

火力一筋30年。
とりあえずパワーを鍛えて相手を殴るスタイル

 加賀美さんのゲームにおけるプレイスタイルは、“パワーに物を言わせて突貫する”こと。ひたすら攻撃力を上げて敵を殴ったり、勢いで無理やり突っ込んだりするシーンが多い。ほかの実況者にはなかなか見られないスタイルのため、新鮮な気持ちで楽しめるはずだ。

 その代表的な例といえば、『ダークソウル Ⅲ』のラスボス戦だろう。通常は、強力な相手の攻撃をガードしたり避けたりしながら、隙を見て攻撃を加えていくのがセオリー。しかし、加賀美さんは「一旦試さねばなるまい」と、移動を捨てて最重量の装備を着込み、ただただ相手を殴るという、ごり押しすぎるプレイを実行。喰らうとやられてしまう攻撃を、なんとひたすら殴って敵をひるませることで回避し、そのまま撃破してしまった。

 周回プレイしていてボスの特性を知っているプレイヤーならいざ知らず、これを1週目で実行しているのだから恐ろしい。なお、これにはさすがに本人も驚いたらしく、終始唖然としていた。

 『eBASEBALLパワフルプロ野球2020』では、選手を育成して甲子園を目指す“栄冠ナイン”に挑戦。“暴力高校”と名付けられた高校では、野手は球を遠くへ飛ばすためのパワーを上げ続け、投手はひたすら球速を伸ばしまくるなど、あまりに特化しすぎた育成を展開。校歌が流れる時に、高校の名前を読み上げられるため、「暴力、暴力、暴力、嗚呼暴力高校」というパワーワードも生まれた。

 しかし、『パワプロ2020』公式協力のもと行われた“にじさんじ甲子園2021”に出場した際は、暴力高校で培った技術を駆使して、並み居る強豪と激戦を繰り広げる。数々のドラマを生みながら、リーグ戦を勝ち抜いて決勝へ進出し、見事優勝を果たした。

 

全力で楽しいを共有したことで、
さらなるエンターテイメントを演出

 ゲームに対していつも前向きで、かつ発言にも細心の注意を払っているため、定期的な案件配信も担当している。特に『デュエルマスターズプレイス』は、配信にて“ザガーン様”という、最強と目されるカードを使用したクセのある配信をしていたところ、公式生配信にたびたび出演するようになった。

 またその縁から、自身の3Dお披露目配信では、ライブ中に『デュエル・マスターズ』に登場する“ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン”さんが登場。なんと、実際にアニメなどで使用されていたモデルで、タカラトミー公式協力のもと、出演が叶ったそうだ。

 さらに、第2回にじさんじコラボにて、ゲーム内に自身がキャラクターとして出演。加賀美さんは、第1回にじさんじコラボの際、出演権をトーナメント戦で決定していたために出演が叶わなかったため、満を持しての登場となった。それだけではなく、自身が歌唱する楽曲『篝火』がゲーム内でBGMとして流れるという、大役にも任命された。

 現在でも、公式生放送先であった偉い大人から、「加賀美くんの『龍が如く』面白いから、早く続きやって」と言われたのだとか。自分が好きなものを共有したことで、自身の表現をさらに広げることに成功した、数少ない存在だ。

 

まとめ

 自分の「楽しい」を全力でリスナーに届けることで、ハイクオリティな配信を生み出しつつ、自身の表現する世界を広げる加賀美さん。本記事を執筆している現在、彼をはじめとするライバーたちは、コロナ禍の影響でかなり苦しい状況に置かれているが、これを乗り越え、さらなる景色を是非見せてほしい。気になった人は配信を視聴して、潜在株主(ファンの名称)のひとりになることをおすすめする。

 

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寺村 一也(Kazuya Teramura)
寺村 一也(Kazuya Teramura)
ライター。ゲームに関連した書籍・WEBメディアで記事を執筆する傍ら、ゲーム実況・VTuber文化にも精通。幼少期からゲームを遊ぶ時間に制限があったものの、説明書や攻略本など関連書籍を読み漁りゲームの魅力に触れていく。その経験からプレイ以外の「観て楽しむ」という実況文化を学ぶようになる。

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