米国の調査会社Sensor Towerは同社のブログにおいて、2022年12月の世界モバイルゲーム市場における中国パブリッシャーのセールスランキングを公開した。なお、本記事の数字は同社の推計によるものである。
2022年12月、世界のモバイルゲームパブリッシャーの売上トップ100には中国企業が43社含まれ、21億ドル(約2,700億円)を生み出した。これは、トップ100の売上のうち39.3%を占める。なお、この数字には中国におけるサードパーティーのAndroid向けストア(TapTapなど)の売上は含まれていない。
NetEaseのモバイルゲームの収益は、『梦幻西游』、『荒野行動』、『实况足球 – 世界同台』(eFootball)など、多くのタイトルで収益が伸びたことにより、総収益が前年同期比6.4%増となった。
IM30(Long Tech Network)は、ポストアポカリプスがテーマのストラテジー『ラストシェルター』や『ライズオブエンパイアズ: 氷と炎』といった主力タイトルの収益が軒並み増加し、パブリッシャーの収益は前四半期比で過去最高の26.6%増。同社のタイトルは主に米国が重要な市場であり、売上高の44.3%を占めている。
Nuverse(朝夕光年)米国市場を筆頭に大ヒットを記録しているマーベルのDCG『MARVEL SNAP』や、中国で配信する「ワンピース」IP作品の『ワンピース熱血航線』(航海王热血航线)が収益拡大したことにより、前期の45%増に引き続いて、今期も28.3%増となった。その結果、ランキングでは5ランクアップの12位に浮上している。なお、収益の80%は国外からのもの。
現在、『MARVEL SNAP』の総売上は4,000万ドル(約52億円)を超え、成長の勢いは衰えていない。12月初めには人気キャラクターのひとり「シルバーサーファー」がシーズンパス報酬で実装され、過去最高の収益を記録したと推計された(Appmagic調べ)。
7Road(第七大道)は、中国の人気ブラウザゲームを再現した『弹弹堂大冒险』を12月中旬に現地でリリース。IPの人気もあって、わずか半月で12月の中国App Storeにおけるセールスランキングで10位を獲得した。これにより、中国のモバイルゲーム企業の収益ランキングで22位にランクインしている。
ZlonGame(紫龙游戏)は12月上旬に韓国市場にSRPG『Archeland』を投入。リリース直後に現地のセールスランキングでトップ10入りし、期間中の売上高が前年同期比83.2%増となった。これにより、パブリッシャーの収益ランキングでは24位まで浮上している。
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一方、中国App Storeのセールスランキングでは、前述の『弹弹堂大冒险』のほか、NetEaseのカジュアルな対戦ゲーム『蛋仔派对』、テンセントが中国でパブリッシングするEAの『FIFA MOBILE』などがランクイン。
『蛋仔派对』は2022年5月にリリースされた、卵型のキャラクターによるカジュアルな対戦ゲーム。 12月30日に現地のアニメ作品「喜羊羊と灰太狼」とコラボを開始したことで、収益が急速に上昇。12月のApp Storeダウンロードランキングで首位、セールスランキングで18位を獲得した。
サッカーゲームは11月のカタールワールド杯以降、多くのタイトルが人気を博している。中でも『FIFA MOBILE』は収益が前年同期比108%増となり、中国のモバイルゲーム市場で最も売上高の高いスポーツゲームとなった。