英国の競争・市場庁(CMA)はマイクロソフトによるActivision Blizzardの買収提案に関する調査に関して、「英国のゲーマーに害を及ぼす可能性がある」と暫定的に結論づけている。
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また調査の一環として、Xbox関連事業に対するライバル企業6社と行ったミーティングの内容を明らかにした。英国のゲームメディアgameIndustry.bizが報じている。
報道によると、6社のうち、半数はマイクロソフトがアクティビジョン・ブリザードの買収を完了した場合、競争を阻害することになると考えているという。一方で2社は損害を与えるとは考えておらず、もう1社はそれを判断するのは時期尚早と主張。
競争の阻害となる要因としては、「Call of Duty」の存在がゲーム機購入の決定要因となりうることや、クラウドゲーミング分野におけるActivision Blizzardのコンテンツの重要性などが挙げられた。
上記の懸念に見られる、「マイクロソフトがActivision BlizzardのポートフォリオをXboxで独占するのではないか」との疑念は、同社が傘下におさめたBethesda Softworks(ベセスダ)のタイトルを実際にXbox専用タイトルとしてリリースしている前例を基に主張されている(2023年に発売予定の大作オープンワールド『Starfield』も、コンソールはXbox専用)。
そのほかにも、マイクロソフトが持つWindows OS、Azure、Xbox、Game Passなどの幅広いポートフォリオについて触れ、このラインナップにActivision Blizzardのゲームやスタジオが加わった場合の競争への影響に懸念を示した。なお、こうした懸念は欧州委員会も同様に言及している(関連記事)。
現在CMAが公開している報告書によれば、こうした企業からのヒアリングも加味し、「英国のゲーマーに損害を与える可能性がある」と暫定的な判断が下されている様子。最終的な判断は2023年4月26日に公開が予定される最終報告書で明らかにされる。
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