中国のゲーム市場調査を行うCNG(伽馬数据)は7月21日、2022年上半期のゲーム産業レポートを公開した。
2022年上半期、中国ゲーム市場全体の売上は1,477億8,900万元(約2兆9,910億円)となり、前年同期比1.8%減となった。ゲームユーザー数は昨年12月の6億6657万人から6億6600万人へと微減し、前年同期比では0.13%減。
中国モバイルゲーム市場の売上も1,104億7,500万元(約1兆5,078億円)で前年同期比3.74%減となった。これまで成長を続けてきた中国市場だったが、2008年にデータ収集が可能になって以来、初のマイナス成長を記録した。
また、中国の国内ゲーム企業の合計収益は1,245億8,200万元(約1兆7,010億円)で、前年同期比4.25%減に。これは2021年上半期に記録した8.3%増、2020年上半期の30.4%増を大きく下回る数字。
依然、巨大な市場であることに変わりはないものの、マイナス成長の背景には、厳しい版号(ライセンス)制度、ゲーム人口の飽和、ロックダウン施策などコロナ禍の影響、18歳未満のユーザーに対する規制などが挙げられる。現在、18歳未満のユーザーへの規制強化は、ゲームだけでなくライブストリーミングなどの範囲にも及ぶ(関連記事)。
中でも特に国内市場で影響が大きいと考えられるのは、版号規制による新作タイトルの供給不足と考えられる。
中国では新たにゲームを配信・販売する際、行政機関である国家新聞出版署から「版号」(ライセンス)を交付される形で認可を受ける必要がある。しかし、中国の規制当局は2021年7月以降、2022年4月までの約9ヵ月間、新規ゲームの認可を行わず、国内ゲームへの締め付けを強化。
今年4月にようやく新作タイトルの認可が再開され、4月に45件、6月に60件、7月に67件の新作が版号を取得したが、一度に審査を通過するタイトルの数は2021年7月に承認された87件を依然下回る水準であり、多くの企業が版号の交付を待ち続けている状況となっている。
中国国内が苦境の一方、2022年上半期における中国発タイトルの海外売上高は89億8,900万ドル(約1兆2,271億円)となり、前年同期比6.16%増を記録。
伸び率は低下しているものの、継続して成長傾向。前述の国内事情もあって、テンセント、NetEase、miHoYoをはじめとした大手企業は海外スタジオや新ブランドの立ち上げを積極的に行い、グローバル市場に活路を見出している。
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同期間、地域別のシェアは米国市場が31.72%、日本市場が17.52%、韓国市場が6.29%を占めた。また、中国モバイルゲームの海外売上高上位100タイトルのうち、ストラテジーが35.81%、RPGが16.38%、STGが11.33%を占め、これら3部門の合計シェアは63.52%に達している。
そのほかレポートでは、中国eスポーツ市場売上高が637億1,200万元となり、前年同期比11.59%減を記録したことなどが報告されている。