確かな開発・運営力×業界屈指のストーリーテラー。ヒットメーカー三社が新作『咲う アルスノトリア』に込めた「魔法(かわいい)」とそれから…

[AD/グッドスマイルカンパニー]

 グッドスマイルカンパニーは、新作ゲームアプリ『咲う アルスノトリア(わらうアルスノトリア)』を2021年2月末にリリースを予定しています。

 本作のキャッチコピーは、ズバリ「魔法(ルビ:かわいい)は負けない。」です。ゲームでは、長期間の構想を経て紡がれた独自のファンタジー世界観と、個性豊かな登場人物たちが織り成す魔法(かわいい)にあふれた物語が展開。そしてメインキャラクターデザインを担当する大塚真一郎氏をはじめ、多数のイラストレーターも参加しています。

 2019年9月の初出から、キービジュアルと一部キャラクター、PVなど情報は限定されていましたが、この程、その全貌が徐々に明らかになってきました。

 

 フィギュアメーカーの国内最大手・グッドスマイルカンパニーを筆頭に、原作は数々のオリジナルIPを生み出してきたクリエイター集団のニトロプラス、開発・運営は『グランドサマナーズ』や『東方LostWord』などで確かな実績を持つゲーム開発会社のNextNinja。

 立場や事業が異なる三社の思想と技術が詰まった『咲う アルスノトリア』、果たしてどのようなゲームなのでしょうか。本稿では、三社の代表に本作の企画経緯と、そのこだわりについてうかがいました。

▲左から株式会社NextNinja 代表取締役CEO 山岸聖幸氏、株式会社ニトロプラス 代表取締役社長 小坂崇氣氏、株式会社グッドスマイルカンパニー 代表取締役社長 安藝貴範氏

 

互いの強みと弱みを克服…三社の協力体制

――本日はよろしくお願いします。まず三社はどのような経緯で知り合ったのでしょうか。

小坂崇氣(以下、小坂):グッスマ(グッドスマイルカンパニー)さんとは2005年頃からお付き合いが始まりました。弊社作品『斬魔大聖デモンベイン』(2003年発売のPCゲーム作品)に登場する「アル・アジフ」のフィギュア製造をグッスマさんが担当されたのがキッカケですね。

安藝さんとは2006年頃にお会いして、実は仕事ではなく主に車の話で意気投合しまして(笑)。趣味の繋がりが強く互いに遊び仲間という感覚で、なかなか仕事の話をする機会はありませんでした。

一緒にお仕事をするようになったのは、『魔法少女まどか☆マギカ』(2011年放送のTVアニメ作品)が非常に注目された頃に、グッスマさんのご紹介でオンラインゲーム化のお話を頂いてからですね。ニトロプラス自身はPCゲームにこそ知識はありますが、オンラインゲームは専門外だったんですよ。

安藝貴範(以下、安藝):本格的に一緒に企画を始めたのは『翠星のガルガンティア』(2013年放送のTVアニメ作品)からですね。

小坂:ええ。バンダイビジュアルさんとの打ち合わせで「オリジナルのロボットアニメを作ろう」という話になったとき、やっぱり立体化したいよね、という流れになったんです。造形と言えばグッスマさん、ということでお力を借りることになりました。

高い造形技術はもちろん、プロモーションが上手く、我々が無理だろうと思うようなアイデアを言っても、それを実現してくれるんです。

たとえば、『翠星のガルガンティア』に登場するチェインバーという主人公機のコックピットを、実際に人が乗れるサイズで再現したいねと言ったら、一言「あ、出来ますよ」って(笑)。

安藝:作ろうと思えば作れますよ、やるのが大変なだけで。頭部分のコックピットを等身大で作って、アニメイベントでお披露目しました 。

小坂:しかも、プロモーションのためのブース作りやお客様の誘導なども全部担当して頂いて……。イベントではいつも大変な部分をお任しています。

安藝:なんでも屋として、使って頂いているという感じですね。

小坂:こうして互いに仕事の繋がりが深くなっていくなかで、自社オフィスの引っ越しを考えていた時に、安藝さんが「じゃあ、一緒にスカイツリーのビル(当時のオフィス)に引っ越そうよ。2フロア借りれば安くなるかもしれないから」と誘ってくれたんですよ。そこから同居が始まりました(笑)。
 

――互いに物理的な距離も縮まったんですね。

小坂:より迅速かつ密に連携が取れるようになりました。そして、2015年頃に、グッスマさんのところに来ていたNextNinjaさんと出会います。

山岸聖幸(以下、山岸):『グラサマ(グランドサマナーズ)』を作るということで。ただ、ニトロプラスさんとは最初から一緒に仕事をやろうという感じではなく、偶然安藝さんと遊んでいる場に小坂さんがいらっしゃったことがキッカケでした。

小坂:話しているうちに「じゃあ、シナリオはニトロさんで」みたいな話で盛り上がって。結局、『グラサマ』ではスケジュールの都合で実現しなかったんですけどね。

山岸:満を持して『咲う アルスノトリア』で、三社の協力体制が実現したわけです。
 

――具体的に『咲う アルスノトリア』の企画が動き始めたのは。

小坂:キーマンは弊社のライター・一肇(にのまえはじめ)でした。

彼はずっと小説を書いていたんですが、元々小説家を志していたわけではなく、たまたま角川さんや星海社さんなどの編集者さんに気に入られて、次から次へと仕事の依頼が舞い込んでいたのです。そんな状態が続いていたとき、彼が「せっかくニトロプラスにいるのだから、一度みんなと一緒に何かを作ってみたい」と熱く語ってくれて。

そこから少し時間は空きますが、2017年秋頃に、安藝さんが「グラサマのエンジンが面白いから、そこを利用しつつ原作をニトロプラスがやれば面白いゲームが出来るよね?」と言ってくれたんです。僕も展開を考えているところだったので、一肇に対して「グラサマをベースに、世界観やストーリー、キャラクターを考えてみて」と案件を投げました。

▲一肇(にのまえはじめ)。作家。ニトロプラス所属。『桜ish-推定魔法少女』(角川スニーカー文庫)でデビュー。『幽式』『くくるくる』(いずれもガガガ文庫)を経て、『少女キネマ 或いは暴想王と屋根裏姫の物語』『黙視論』を上梓。画像は氏の代表作のひとつ『フェノメノ』シリーズ(関連サイト)。

 

――そこで出来上がったのが『咲う アルスノトリア』の原型だったと。

小坂:はい。約1ヶ月で企画書が出来上がって、それを安藝さんと山岸さんに見せたところ「良さそうじゃないですか、進めましょう」という流れになりました。

山岸:企画当初は、すでに既存エンジンがあるし、一肇さんもすごく頑張ってくださるということで、最速で1年でリリースしちゃおうか、ぐらいの感じでした。

小坂:いざ作り始めると色々と欲が出てですね……。気付けば早3年、もはやゼロから作ったのと同等の労力をかけております。

安藝:途中でクリエイティブを凝り始め、これは作業工数を見直さなければならないと、開発にストップをかけました。そこから今一度ニトロさんのアイデアを具現化し、しっかりチームを整える準備期間を設けたんです。開発期間は伸びましたが、きちんと調整できたのは良かったです。

小坂:思えば企画書の日付が2017年12月ですね。この頃から本人たっての希望で、小説の執筆は一旦お休みして、『咲う アルスノトリア』にフルコミットしてもらうことになりました。
 

――一肇さんには何か心境の変化があったのでしょうか。

小坂:どうでしょう。小説の執筆はある意味孤独な仕事ですからね。あえて全く異なる環境に身を投じて仕事の幅を広げたいと思ったのではないでしょうか。そういうチャレンジはニトロプラスとしてもすごくウェルカムなので、安藝さん、山岸さんも交えて大まかな方向性を検討し、すぐにGOサインを出しました。
 

――早い段階で三社の協業体制が整っていたのですね。

小坂:そうですね。三社構想はもともと安藝さんが考案したもので、以前からお話しはいただいていたのですが。

安藝:『咲う アルスノトリア』でやっと実現の機会が巡ってきたというところです。ニトロプラス、NextNinja、グッスマは得意分野が明確で、互いの強みで互いの弱みを克服できるのではないかと考えていました。

まずNextNinjaは『グラサマ』の成功が示すとおり、ゲームの開発、運営に優れた会社です。コアゲーマーを十二分に満足させるゲームを作ることができ、少数精鋭でフィードバックサイクルも速い。ただ、シナリオは山岸さん自身がトラディショナルなRPGファンということもあって、どうしても王道ファンタジーに寄りがちなんですよね。もちろん、それはそれで多くのユーザーに愛されてはいるのだけれども。

山岸:確かに否定はできない(笑)。

安藝:傍から見ると、そろそろもう一捻りあってもいい頃でした。そこで、NextNinjaのゲームエンジンに、業界屈指のストーリーテラーであるニトロプラスの力を重ねたら、すごい化学反応が起きるだろうと。その予想は一肇さんの企画書を見たときに確信に変わりました。

物語の中でキャラクターの扱いが非常に繊細だったんですよ。つまりキャラクターの情報量が多い。しかもヒロイン・アルスノトリアのデザインコンセプトは「笑わないくせにその挙動がかわいらしいため、笑顔を見たいと思わせる少女」とあって、これはもう、ウチで早く立体にしてあげたいなと思いました。

小坂:一が聞いたらきっと喜びますよ。

山岸:世界観とキャラクターの作り方についてはニトロプラスさんに学ぶことが非常に多いですね。その分、NextNinjaは開発効率と運営の安定性に一日の長があると自負しています。『グラサマ』は運営4周年を迎え、長期運営タイトルとなりつつあります。

本当にファン0人からここまでやってきましたから、この継続力で『咲う アルスノトリア』を陰に陽に支えていきたいですね。

【『咲う アルスノトリア』ストーリー】

これは、いつかどこかで紡がれた、誰かのための物語。記憶のほとんどをなくした「あなた」が辿り着いたのは、人には見ることの叶わぬ、秘密の学園。そこでは「ペンタグラム」と名乗る少女たちが、”真の淑女”となるべく、仲良く楽しく学んでいた。“教師”という居場所を与えられた「あなた」は、年頃の少女たちに振り回されながらも忙しい日々を過ごすこととなるが……。しかし、その楽園のごとき華やかさは、やがてくる「騎士」と呼ばれる男たちとの壮絶な戦いの序曲にすぎなかった。

 

「可愛い」と「格好いい」のふたつを提示

――巷では、ニトロプラスさんが携わっているため、可愛らしいイラストには裏があるんじゃないかと思われているようですが。

小坂:そんな、そんな。単純に”可愛い”と”格好いい”しかないですよ! PVを見て頂ければ分かると思いますが、非常に可愛らしいペンタグラムと名乗る少女たち、そして格好いい騎士たちが対決する作品です。ええ。

山岸:ニトロプラスさんが表現する”可愛い”は、独特の難しさが……。

▲本作のキービジュアル。かわいい。
▲騎士

小坂:なに言ってるんですか、裏なんてないですよ(笑)。我々だって色んなものを作ってきましたよ? 「すーぱーそに子」なんて、バイオレンス一切なしの可愛い存在じゃないですか。そこら辺は、ぜひ安心して頂きたいです。

……まぁ、ちょっとした深みみたいなのもなくはないので、そこら辺は実際にプレイしてからのお楽しみということで。各キャラクターの名前やその他のネーミングなどにヒントは散りばめてはいますが、とにかく非常に可愛いものに仕上げてます。
 

――これ以上の追求は止めておきます(笑)。ズバリお聞きしますが、『咲う アルスノトリア』はどのようなゲームになるのでしょうか。

山岸:まだ開発途中のものですが、バトル画面の一部をお見せしたいと思います。エフェクトも音楽もほとんど無いので見栄えはちょっとアレですけど…。

▲バトル画面 ※画像は開発中のもの

『グラサマ』で一番熱いのが最大4人のリアルタイムバトルなんですが、『咲う アルスノトリア』でもそのシステムが継承されています。バトル中はスタンプでエモートをアピールできるようになっているので、気持ちや作戦を共有しながらペンタグラムの力を上手く使って騎士(敵キャラクター)を撃退していきます。

▲スタンプ画像

さらに『咲う アルスノトリア』ではキャラクターの組み合わせによって連携技が発動するようにしました。

▲連携画面 ※画像は開発中のもの

組み合わせのヒントは物語本編や各キャラクターのプロフィールなどに隠されています。能力だけでなく、ペンタグラム同士の相性も考慮しながら編成を組んでいくのがコツですね。

小坂:やっぱり編成が楽しいゲームは良いゲームだと思うんですよ。そこは『グラサマ』に教えられましたね。

山岸:ありがとうございます。編成画面は小坂さんのこだわりがぎゅっと詰まってるんですよ。だから作るのが本当に大変で……。まだまだ改良中です。

▲編成画面 ※画像は開発中のもの

小坂:僕がどうしてもお願いしたかったのは身長差の表現でした。編成画面でペンタグラムが横並びに表示される時に必ず身長差が見て取れるようにしてほしくて。そうすれば、アルスノトリアが華奢で小柄な女の子であることが伝わるじゃないですか。

山岸:正直に言えば、僕は最初小坂さんの仰ってることがよくわからなかったんですよ。だって編成画面に身長の要素を取り入れようなんて思います? 思わないですよね?

安藝:二人共ゲームに対する発想が全然違うから……(苦笑)。

山岸:でも開発を進めていくうちに分かったことがあって。僕はゲームを繋がるための場だと捉えていたんですよ。モバイルゲームを作ってきたNextNinjaにとってはあまりにも自明なことだったので疑いもしませんでした。

小坂:なるほど。

山岸:一方、小坂さんはおそらくゲームの「繋がらないところ」に目を向けている。だから編成画面に対する考え方が違うのも当然だったんですよ。僕にとってゲームは近所の公園に遊びに行くようなもので、編成画面はその準備でしかない。パパっと身支度を整えて早くみんなと遊びたいな、という感覚です。小坂さんは多分僕とは違いますよね。

小坂:ニトロプラスはPCゲームをルーツとしている分、その辺の感覚は大いに違いがありますね。育成も編成も基本的には没入のためにある、というのが僕の捉え方です。マルチバトルも確かに楽しいけれど、プレイヤーを公共の場へと駆り立てるようなゲームサイクルはちょっと疲れてしまうというか……。

安藝:オンライン上だと人間関係の距離感が掴みづらいなって思うことありませんか。 やたら近すぎたり、急に他人行儀になったり。

小坂:あるある!

山岸:すごくわかります。
 

――ちなみに本作では「可愛い」と「格好いい」のふたつの要素を表現していますが、主にターゲットは男性、女性のどちらでしょうか。

安藝:両方です。市場にあるほとんどの作品は、明確に分けているわけではないかもしれませんが、どちらか片方に寄るんですよね。そして、寄せたほうが様々な前例があるので何かと楽です。そういった意味でも『咲う アルスノトリア』は意欲作だと思っています。

小坂:”可愛い”が好きな人も大勢いるし、”格好いい”に対して興味がある方も大勢いる。本来、そこは男女問わずなんですよ。ニトロプラス作品を見てみると、美少女ゲーム系は男性向けではありますが、アンケートなどの調査を見てみると、結構女性ファンもいらっしゃいます。

安藝:当然、両方取れたほうが良いと、みんな頭の中では思っています。同時に両方立たずとも。ゲーム会社さんあるあるですが、企画会議で大体のユーザー帯を決めるときに、男性・女性どちらかに分かれるんですよね。両方取ればいいじゃん、とはならない。もはや固定概念ですね。
 

――本作はプレイヤーの性別関係なく、全員が楽しめる作品だと。

小坂:ニトロプラスは美少女ゲームから始まり、2004年には女性向けBLゲームブランド「ニトロプラス キラル(Nitro+CHiRAL)」を立ち上げ、プロジェクトを並行して作品を作ってきました。内部スタッフは結構重なっていて、美少女ゲームもBLゲームも一般向けアニメも、多様性を持って取り組んでいます。

それぞれに作る面白さ、お客様に届ける面白さがあるんですよね。そうやって蓄積してきたものの片鱗が『咲う アルスノトリア』にあるのかなと思っています。

安藝:欲張りですよね(笑)。

山岸:両方できちゃうから、そういう発想ができるのかと。

小坂:これまでPCゲームに関しては、プログラム、企画、シナリオ、キャラクターデザイン、原画、彩色、演出、売るところまで、ほとんど内製で回していました。そこからアニメ製作を経験し、多くの方々と一緒に作ることを学んだんです。

『刀剣乱舞』でも、外で活躍されているフリーのイラストレーターさんと協力しながら作っていきました。そうやって蓄積してきたノウハウを『咲う アルスノトリア』で活かしている感覚はありますね。社内スタッフはもちろん、社外の作家さん、イラストレーターさんは大御所からフレッシュな面々まで。それぞれの良さが融合しているのが、『咲う アルスノトリア』の大きなセールスポイントかなと感じています。

安藝:『グラサマ』の経験で得た運営方法、たとえば、どう広告を打つか、ユーザーさんとどのようにコミュニケーションを取るか、イベントの組み立てはどうするかなど、約4年間で得た様々な知見が熟成されています。そのすべてをこのゲームに投入しようと、今NextNinjaさんが頑張っている状態ですね。

山岸:そうですね。つねに最新作こそがNextNinjaの持つすべてのノウハウを注ぎ込んだものなので、『グラサマ』や『東方LostWord』よりも必ず進化させます。そして今はニトロプラスさんのフィードバックに応えることの難しさを日々実感しつつも、すべて応えたら凄いものが作れるんじゃないかと思って頑張っています。

小坂:やはり互いの会社の成り立ちが異なるので、当然ながら価値観や成功体験も違います。NextNinjaさんが自身のノウハウや成功体験をもとに生んだシステムを尊重しつつも、我々も世界観やキャラクター表現の部分に置いては自分たちの感性を信じて作ってきているので、表現してほしいことが多々あります。やはりそこには相容れない大きな壁があるんですよね。

ただ、お互いにその壁を打ち崩そうと思って本気でラリーを続けている最中です。今、もっとも良い関係を築けているなという実感はありますね。

山岸:そうですね。意見がまったく一緒だと、それはそれで面白くないです。今、互いの異なる価値観を上手く融合してきていると思っています。完成すれば世の中になかったものができるんじゃないかなと信じています。

 

ニトロプラスの思想を色濃く乗せた作品に

――基本的なゲーム仕様はNextNinjaさんが担当されていると思っていましたが、コアな部分もニトロプラスさんが意見されて作っているのでしょうか。

小坂:そうですね。指針は我々がお願いして、NextNinjaさんが「それを具現化できるのはこの範囲までですよ」「それを実現させるためにはこれをやらなければいけませんよ」といった、実現させるための具体案をご提示いただくという形です。

安藝:一緒に手掛けて、新しいものを生み出そうとしている体制です。ただ、こうしたいという理想と、それでは成立しませんという現実のギャップは思った以上にありまして。

NextNinjaさんの体制というか、山岸さんの個性かもしれないですけど、依頼されたものを全部受けようとするので、かなりしんどい思いをしながら開発していると思います。ですが、答えが出るまで諦めずに向き合ってくれるから、とことん話し合う感じです。

山岸:課題はたくさん頂いていると思っています。その課題が、わりとトレードオフのものが多く、日々頭を悩ませている状況ですね。

安藝:今回、大切なのはニトロプラスさんの思想や考え方などを、きちんとゲームに乗せるということだと考えています。ゲームシステム側の都合ではなく、ニトロプラスの考えはこうだという部分を色濃く出していこうと思っています。
 

――最後に、配信を待っている方々に一言ずつメッセージをお願いします。

小坂:現在、僕は『刀剣乱舞』や『凍京NECRO〈トウキョウ・ネクロ〉』など自分たちのコンテンツのタスクを毎日入れながら、市場にある最新のゲームにも触って勉強しています。そこで常々考えるのは、可処分時間の奪い合いが起こっていることについて。

お客様は、複数のゲームをプレイしているため、ただでさえ、時間がない状況です。これに加えて、ゲーム以外のエンタメコンテンツ(アプリ)も充実しており、いよいよ新作ゲームの入り込む隙間がなくなってきている状況なのです。

ひとつのゲームを遊び続けているなか、新作ゲームは次々とリリースされる。気になるけど時間的に遊べない……そんな悶々とした気持ちの方も多いと思います。そういう方にこそ『咲う アルスノトリア』をお届けしたいです。仕事や学業、それにコロナ禍など、様々なストレスや疲れに、本作の可愛くて格好いいキャラクターたちが頑張っている姿に癒やされたり元気になってほしいです。

山岸:世界観、ストーリー、音楽、キャラクター、バトル、このRPGを構成する5つの要素を、ニトロプラスさんと僕らでこだわり抜いた作品になっています。3年間、すべて手を抜かずに開発してきたので、ぜひこの作品を皆さんにお届けして、楽しんでもらえたらと思います。リリースまで今しばらくお待ち下さい。

安藝:『グラサマ』『東方LostWord』と毎回全力投球で作品を作らせて頂いていますが、今回も今できることの最大限をすべて投入しています。そして現在、快適にプレイできるか、面白くプレイできるかという部分に集中して、開発チームと最終調整を行っています。

そしてサービス開始後は、お客様からの様々なご意見、ご感想をもとに我々がより良いものを作り上げ、ニトロプラスさんが考えている思想や世界観をゲームの世界で作り上げていきます。ぜひ、応援のほど、よろしくお願いいたします。

小坂:もうひとつ付け加えるなら、『刀剣乱舞』がもうすぐ6周年で、『グラサマ』が4周年。これらの記録は軽く超えたいですね。やはり10年コンテンツくらいに。

安藝:10年経つと第2世代のお客様も生まれる頃で、そこまで経てば次の10年も行けるとも言われています。10年続けて2世代に愛されるコンテンツになりたいですね。

小坂:ここで宣言しましょう。10年コンテンツ目指すぞと!

山岸:めちゃくちゃハードル上げますね(笑)。

小坂:実はニトロプラスを作った際の、最初の目標が”10年コンテンツを作る”なんですよ。当時、美少女ゲームって10年後を想定して作っている作品は僕の知る限りはなかったと思います。そんな中で、僕らは自分たちのゲームが10年後の商品棚に燦然と輝いていることをイメージして作りました。

たとえば、安易に流行りに乗っかるのではなく、普遍的なものにしないといけない、とか。その思いは『咲う アルスノトリア』も継承しているので、長く愛されるタイトルにしたいと思っています。

――ありがとうございました。

 

取材・執筆:長戸勲、寺村一也
取材・編集:原孝則
撮影:岸波崇

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原 孝則(Takanori Hara)
原 孝則(Takanori Hara)https://pickups.jp/
PIckUPs! 編集長。出版社で雑誌とWebメディアの編集を経験した後、大手ゲーム会社で多数のマーケティングプロジェクトに携わる。2015年にSocial Game Infoの副編集長に就任。2017年に起業し、独自のニュースサイト「PickUPs!」を立ち上げ、現職。

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